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自然写真家より・外来種・交雑種は必然・人が動けば、生き物も動く

里山も琵琶湖も外来種だらけ

滋賀県栗東市の里山で撮影したアライグマ
琵琶湖岸でギシギシの葉を食べるヌートリア
琵琶湖近くで日光浴をするアカミミガメ軍団

最近、僕の撮影フィールドは、動植物を問わず外来種だらけです。
外来種は「悪」といったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、結論から先に言えば、地球に人類が誕生した時点で、現状の生態系は必然だったと考えています。
はるか昔、移動手段が徒歩だけだった人類が、馬に乗り、船に乗り、車に乗り、飛行機に乗り、宇宙にまで移動するようになったのですから、その横に生き物を乗せていれば、生き物も国を越えて、生息範囲を広げていくのは、当たり前のことだと思います。
地球誕生は46億年前と考えられていて、人類の誕生は20万年前と推測されるそうで、地球の時間軸の中では、ほんのわずかな、ひと時です。
いつの時代か、その昔「人類」というものがいて、その時代に多くの生き物たちが、地球の各地に広がっていった・・などとうわさされることになるかもしれません。

人を利用した生息範囲の拡大戦略かも

外来種は、元をただせば「可愛い」や「綺麗」に、心動かされ、飼育、植栽されたものであったり、「食用」「毛皮」「羽飾り」に使用するため、飼育されたもであったり、人の欲求を満たすため、外国から運ばれてきた動植物です。その中から、捨てられたり、逃げ出したりしたものたちが、繁殖し日本で生息域を拡大しているわけです。
100人いれば100人の考え方があり、在来種を守るため、外来種を侵入を防がなければならないと考える人は、それなりの行動をとるでしょうし、あまりそういったことに興味のない人は、、またそれなりの行動をとるでしょう。
生き物たちは、後者の人に飼育されることを狙い、野外へ放たれることを密かに待っているのかもしれません。

交雑種も生態系の進化の一部?

オオサンショウウオやカモたちの間で、交雑種が増えてきています。オオサンショウウオの場合は、輸入されて逃げ出した中国産と国産の交雑、カモたちは似たもの同士の交雑というところでしょうか。
人でさえ、移動手段の発達で、国際結婚が当たり前になっている時代ですが
そこに誕生した子供たちを、交雑種とは言いません。人は人種に関わらず1種だからです。
人の都合で分類した、種だの亜種だの難しいことは置いておいて、生き物たちが、嫌々交雑しているのであれば、話は別ですが、自由恋愛であるとすれば、「恋路を邪魔する」のはいかがなものかと思っています。
地球の歴史の中で見れば、今起きている変化は、人類が誕生していなければ起こらなかったことかもしれません。すなわち、現在の生態系変化は、人類誕生を含めて、地球上にくらす生き物たちの進化の一部ではないかと考えます。

自然写真家として、ただ残しておければ、それでいいかな・・

僕は、研究者ではないので、難しいことを解明しようとも考えていませんし、声高に種の保存などと訴える気持ちもありません。
地球の歴史の時間軸の中で、点にもならない、40年そこそこの間に、出会ったもの、感動したもの、人生を楽しませてくれた動植物たちを、写真という形で残せておければ、それでいいかな・・と思っています。
皆さんも、ご自分を楽しませてくれた、動植物、風景をしっかりまとめて、後世に向けて、大切に保存しておいてください。




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