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「今こそ見極めろ。」


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では、本題。


スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラットによる共著「民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道」を読んだ。

ハーバード大学で発展途上国やヨーロッパについて研究している二人が書いたこの本は、


少し前のアメリカでは大統領候補にすらなれなかったトランプが、なぜ2016年の選挙で勝てたのか?を知ることができ、

民主主義が脆弱であることを痛感することができる。

各国の独裁者が誕生した歴史、独裁者を見極める4つのポイント等も知ることができかなり勉強になる。


現代の独裁は、クーデターが起きたり、憲法が停止されたり、緊急事態宣言が発令されたりと明らかな一線を越えて誕生するものではない。

合法的な選挙というプロセスを挟んだ結果、多くの人にとってかなり見えにくく民主主義が崩壊し、ゆっくりと独裁が生まれるんだ。

さらにそれぞれの独裁政権を調べると共通点があり、それは極端な二極化が進んだときに民主主義が死ぬとわかった。

極端な二極化は互いに排他的になるから社会の分断とも言える。


俺はまったくアメリカの生活がわからないけど、この25年の間に民主党と共和党は対立しあうだけの関係ではなくなったらしい。

今や人種、信仰、地理、そして生活様式レベルで深く分断されているらしい。

各党の支持者をみればそれが顕著だ。

2012年民主党を支持する44%は非白人だけど、

2000年代以降共和党を支持する90%が白人。

つまり、少数民族のための民主党と白人のための共和党という二極化が進んでいるわけ。

アメリカの二大政党は、人種と宗教によって区別されているんだ。

その二極化によって誕生し、さらにそれを広げたのがトランプだったんだよね。


ちなみにトランプはこの本で書かれている独裁者を見極める4つのポイントにすべて当てはまった。


それまでの約100年間、ニクソン以外の大統領候補は1つも当てはまらなかったというのに。



この本では日本のことはまったく触れられていないけど内容をリンクさせて考えれば、

現政権は大丈夫か?独裁ではないか?野党に独裁者の卵はいないか?二極化されていないか?民主主義は守られているか?

が見えてくる。

現政権に賛同しないならそれでいいんだけど、反体制的で人民の声を代弁していると訴えるポピュリストには注意しないといけないんだよね。それが独裁者の卵だから。

まぁ個人の価値観は違うからどう見えるか、どう判断するかはどうでもいいけど、

重要なことは民主主義の崩壊がかなり見えにくいってこと、独裁はゆっくり進むってことなんだよね。

見えにくいからこそ、ちゃんと考えてちゃんと見ないといけない。

そのために歴史を学ばないといけないんだよね。


そしてテレビや新聞のニュースに踊らされるんじゃなくて、視野を拡げるために一歩離れてみなければいけない。


とくに日本はビビるほど選挙にいかない。


おそらくメンドクサイとか、選挙に行ったところで何も変わらないと思っているからだけど、それが民主主義が死んで独裁が生まれる原因なんだよね。


というか、独裁者だったら選挙にいかない国民は最高だよね。


独裁はゆっくり進む。

今こそしっかり見極めよう。


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