「信頼込めて。」
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やる気に頼らないことは重要だけど、やる気自体は大切なもの。
やる気を操るにはどうしたらいいのか知りたかったら読んでみて!
では、本題。
ポール・J・ザック著「経済は「競争」では繁栄しない」を読んだ。
クレアモント大学院大学経済学・心理学・経営学教授、
クレアモント神経経済学研究センター所長、
ロマリンダ大学医療センター臨床神経学教授
を兼任する研究者が書いたのがこの本は、
信頼ホルモンと呼ばれるオキシトシンが個人、人間関係、社会全体に及ぼす影響を探求した一冊。
「オキシトシンってすげぇ!」と思うと同時に、オキシトシンが抑制されてしまう原因を知ると、現代はかなり危ないなと感じた。
人間はいつ人を信頼し、いつ警戒を解くのか?
いつ惜しみなく他人に尽くし、いつ関与をためらうのか?
そのカギを握るのが、オキシトシンだ。
オキシトシンが急増すると、人はいつもより優しく、寛大で、協力的で、思いやりのある行動をとる。
そうした行動を”向社会的”と言い、信頼が信頼を生み、道徳にかない経済的にも良い善循環が生まれる。
では、どうすればオキシトシンを急増させることができるのか?
それは別に大したことをする必要はない。
たとえば鼻に化学物質を注入したり、人とセックスをしたりする必要もなければ、ハグしてあげる必要さえないんだ。
ありがたいことにその方法とは、信頼の合図を送るだけでいいんだ。
つまり、信頼を込めて人と接するだけでいいということ。
そうすると相手はオキシトシンが急増し、関与をためらったり人を騙したりしなくなる。
言い換えれば、人は信頼されていると感じると、前より信頼できる人になるんだ。
では逆に、オキシトシンを抑制したり失う原因となるものは何か?
もっとも一般的な原因は、ストレスだ。
これは誰もが感じているようにかなり厄介で、過度なストレスを受けてしまうと、長期的な”共感疲労”に繋がってしまう。
共感疲労とは、他者の苦しみや悲しみに接したとき、感情移入しすぎてしまい、無気力状態に陥ってしまうこと。燃えつき症候群に似ており、心身が疲労して、心のエネルギーが低下してしまった状態のこと。
さらにオキシトシンを抑制するもっとも有害な感情は、敵意だ。
仕事や人間関係の社会的ストレスやお金の不安は、慢性ストレスの原因になる。
多くの人はそのストレスを抱えながら資本主義社会を戦っているけど、うまくいっていない人たちは、八方ふさがりの現状に怒りや欲求不満を覚え、敵意が生まれ、共感が欠如してしまう。
そして社会的に低い地位にいるという屈辱と、現実の経済的な不安定状態とが合わさると、苦境に立たされているという感覚によって、オキシトシンの働きを妨げられてしまうんだ。
以上がざっとまとめた内容なんだけど、これって今の社会を考えると結構危ないとわかるよね。
世界中の人は、コロナの影響で今までに無いくらいに不安や恐怖によるストレスを受け、さらに経済的にも大ダメージを受けているからね。
それに今の状態だけでもキツイんだけど、最悪を想定したら、敵意が最悪の要因になるんじゃないかと思うんだよね。
つまり「ストレス」が「敵意」に変わらないように気をつけないといけない。
だからこそ、というか今だからこそ、信頼を込めて人と接するんだ。
その信頼が新たな信頼を生むんだからね。
もしかしたらこれは呑気な意見かもしれないけど、敵意をむき出しにしたところで何も状況は改善しないでしょ。
ストレスが敵意にならないように。
信頼込めて。
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