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【4/21日記】みんなでわいわい

仕事に行った。当たり前のことなんだけど、久しぶりにスイッチオンした気分。そのせいか帰ったら急に疲れがどっときた。それでも、働きに出るのも悪くないなと思えた一日。

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うちの職場はテレワークを導入していない。だから交代制で休みをとって出勤人数を減らしている。

職場の後輩Sくんは、人懐っこい。あんまりにも人懐っこすぎて、私は先輩なのにいつのまにかタメ口をきかれて、もうかれこれ3年くらい経つ。今日、二人でカレンダーとにらめっこして、明日は誰と誰がお休みだけど、久しぶりに誰々さんと会えるね。なんて言いながらメンバーの確認をしていた。

「あーはやくみんなでわいわい働きたいなー」

そう彼は言った。

なんか可愛いなと思った。私は咄嗟に「良いこと言うね」と返すと、彼はちょっと照れくさそうにして、「わいわいって。遊びじゃないんだからさ!」そう自分で自分にツッコミを入れてどっかに行った。


そうだった。しばらく「みんな」がここにそろうことは無いんだ。

緊急事態宣言が出てから、私たちは交代で休みと出勤を繰り返し、全員がここにそろうことはなくなった。それでも寂しい気はしていなかった。個人的には、一応かわるがわる会えてはいるから。でも改めて「そろわないんだ」と考えるとちょっと寂しい気もする。

彼はそのことに誰よりも敏感に気づいていた。
いつもおちゃらけているSくんのような人が、この状況のちょっとした寂しさに人一倍繊細だった。みんなでわいわい。その言葉に、彼なりの眼差しがあふれている。

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うちの職場、今のところテレワークの予定はない。でも無くてもいいかとも思っている。もちろん選択肢としてあるに越したことはない。感染は怖いし、感染させるのも怖い。こうやって呑気なのも私が今のところ大丈夫だからだ。

今日の私は久しぶりによそいきだった。よそ行きの声、よそ行きの服、久しぶりのお化粧。よそ行きの顔と声で、誰かの相談に乗って、大袈裟に驚いてみせたり、悩んでみせたりしている自分に気づいた。ああ、こんな自分もいたんだなと思い出した気がする。今日は思う存分、よそ行きの顔を使って乗りきった。疲れたけど、心地よい。テレワークでも、画面越しで人と関わり合うことはできる。でもきっと人は会うことをやめないんだろう。会う人、会う場所、その時その場所で使い分ける顔があって、そこにはまた別の自分がある。そういうことが結構大事なのかも。そう思った日だった。

一度はサポートされてみたい人生