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災害対応に興味をもったわけ

私の夢は
「災害による犠牲者を一人でも多く減らすこと」
です。

今のところ、上記の夢を達成するために
「レスキューロボットの社会実装を成し遂げたい」
と考えてますが、より良い解が見つかったときには
そちらにピボットすると思います。

レスキューロボット(Rescue robot)は、地震や水害などの災害で被災した人間を救助したりすることなどを目的として設計されたロボットである。
引用:wikipedia

この記事ではそんな私が
「災害対応に興味をもったわけ」
を書きたいと思います。


結論:覚えてない

「いやいや、この記事で何の話するねん」
という感じですが...笑

正直、災害対応にいつ・なぜ興味をもったかは覚えていないし、分かりません。

気付いたら興味をもっていたし、気付いたら何かしら選択するときに災害対応に関するテーマを選んでいたし、気付いたら災害対応活動を行うツールとしてのロボットに出会ってました。

とはいっても、
「恐らくこれがターニングポイントだったかな?」
というのはあります。


東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。
この東日本大震災がターニングポイントになったのは事実だと思ってます。

その日、私は中学校の卒業式でした。
みんなよりも少し早めに高校受験が終わったので、同じく受験が終わってた友達とお家でスマブラしてました。

そして、14時46分。
私は関西に住んでいたので、被害などはありませんでしたが、
今までに経験したことのない強い揺れを感じました。


友達に驚かれるくらい冷静に対応

地震発生直後とった行動

・ストーブの電源落とす
・台所の火元を確認
・下の階にいたおばあちゃん大丈夫か確認
・テレビをつけて情報収集

当時、15歳。
冷静に対処しすぎて、一緒に遊んでた友達を驚かせました。笑


人間の無力さを知った

テレビをつけると家屋が津波に飲み込まれる映像が流れてました。
開いた口がふさがりませんでした。

何十・何百年とかけて築き上げた人間の文明・文化を一瞬で奪い去った。
人の命・人の心を奪い去った。

中学生ながら
「こんなことがあっていいのか・いいわけがない」
と強く感じました。

自分の無力さも感じました。


恐らく、この東日本大震災が災害対応に興味をもつきっかけになったと思ってます。

ここからはそんな私がレスキューロボットに出会うまでのお話を書きたいと思います。


高校2年生での研究活動

私が通っていた高校では、高校2年生時に、各自テーマを1つ選択して、
そのテーマに関して、約1年かけて調査や実験、評価を進めていく、
といったプログラムがありました。

テーマは先生にいくつか選択肢が与えられ、そこから1つ選ぶ形式でした。
同じテーマに興味をもった人でグループを作って進めていく、といったものです。


気付いたら耐震設計をテーマに選択

迷いませんでした。

東日本大震災発生から、高校2年生までひたすら大好きなバスケをしていただけで、特に災害対応に関することはやっていませんでした。
にもかかわらず、なぜか即決だった記憶があります。

高校生なので、大学の実験や研究といったレベルではもちろんありません。
「土台を揺らして、土台に乗っている建築物の振動の挙動を観察する」
といった感じのテーマでした。


(余談)学年の代表となり約1000人の前で発表

先生に恵まれ、全然大した成果を出せていないにもかかわらず、
学年の代表として学外で発表することになりました。

リーダーを務めていたにもかかわらず、発表1週間前にインフルエンザにかかり、メンバーをめちゃくちゃ不安にさせたのは良い思い出です。笑

なんとか発表は乗り切ったものの、質疑応答が終わったことに安堵し、
マイクON状態で
「よしっ!」
と言ってしまう、という可愛らしいエピソードもあります。笑


大学受験

ぼんやりと
「災害対応に関することがやりたい」
と思っていました(多分)。

なので、受ける学部・学科も災害対応に関連しそうなものにしました。


材料力学との出会い

(ちょっと専門的な話になります)

大学は工学部に進みました。

色々な工学的な基礎学問を勉強したのですが、
その中で自分の中でとても大きかったのが「材料力学」との出会いでした。

材料力学(ざいりょうりきがく)は、応用力学の一分野で、機械や構造物、固体材料に負荷が加わったときの変形、そして破壊の原理を研究する学問である。
引用:wikipedia

ものすごく簡単に言えば、
「モノに生じる力とその変形具合を解析する学問」
です。


この材料力学という学問の中で「安全率」という指標に出会いました。

安全率(あんぜんりつ)とは、あるシステムが破壊または正常に作動しなくなる最小の負荷と、予測されるシステムへの最大の負荷との比(前者/後者)のことである。
引用:wikipedia

簡単な例を出します。

ある機械があります。
この機械には、使用していると「恐らく」大きさ 1 の力が最大でかかる可能性があります。
なので、余裕を見て最大 3 の大きさの力まで耐えれるようにしておきましょう。
この機械の安全率は 3 / 1 = 3 になります。

といった感じです。
この世の大体の機械や建築構造物は、この「安全率」に基づいて設計されています。


この「安全率」を学んだときに、私は
「いや、予想を超える(=想定外)の力が加わったら壊れるやん」
と思ったわけです。


上の例で言うと、3 以上の力が加わったら壊れるわけです。

基本的には、予想を上回ることがないように、上の例における「恐らく」の精度を最大限高めてはいます。

ただ、自然というのは人間の想像をはるかに上回ってきます。
想定外のことが起き得るわけです。

この「想定外」の一番顕著な例が、東日本大震災時の福島第一原発の事故です。

当時、「想定外」という言葉をよく聞きませんでしたか?


災害対応ですべきこととは

「壊れないものはない」
安全率の考え方を学んで、強く思いました。

と同時に、災害対応において、
もちろん「壊れないようにする」ことも大事だけど、
「壊れる前提」で「壊れた後の対策を考える」ことがより重要になってくるのではないか
と考えるようになりました。

ここで出会ったのがレスキューロボットです。


レスキューロボットとの出会い

「災害発生から72時間」
これが、人の生死を分けるターニングポイントだと言われています。

この72時間以内に効率よく、適切に、安全を確保しながら、人命救助を行うために、自律分散的に情報を集めるのがレスキューロボットの役割です。

現在の技術レベルでは、「人を助ける」というのはまだ現実的ではありません。
人が入るには危険な環境に、レスキューロボットを投入し探索させることで、情報を集める。そして、限られた時間の中での人命救助活動に貢献する、というのが想定されている大きな役割です。

大学でレスキューロボットの開発を行っている研究室の話を聞いたときに
「これだ!」
と思いました。

レスキューロボット
引用:https://www.kyoto-u.ac.jp/kurenai/202103/spirit/robot.html


レスキューロボット世界一の研究室へ

迷わず、レスキューロボットの開発を行っている研究室を選択しました。

この研究室では各人の研究活動とは別に、大学院生を中心にチームを組んで
「レスキューロボットを開発し、国内外のロボットの大会に出る」
といった活動を行っていました。

余談なんですが、研究とは別にレスキューロボットの開発を行う、
というのはとてもハードです。
うちの研究室のメンバーは相当優秀だったので、何とかなっていましたが、当時、僕はもうついていくだけでいっぱいいっぱいでした…笑


レスキューロボットの日本大会・世界大会出た大会すべてで優勝しました。

これはもう圧倒的に優秀な先輩と同期のおかげでしかないんですが、
世界一のレスキューロボットを肌で感じることが出来た
というのは、非常に大きな財産だと思ってます。


さいごに

といった感じで、この記事では

・私が災害対応に興味をもったわけ
・レスキューロボットとの出会い

について、書かせていただきました。

今のところは、一番初めに書かせていただいた、私の夢である
「災害による犠牲者を一人でも多く減らすこと」
を達成するために
「レスキューロボットの社会実装を成し遂げたい」
と考えています。


・レスキューロボットに求められている役割
・レスキューロボットの社会実装における課題
・社会実装を成し遂げるために、今私が取り組んでいること

このあたりについては、また別の記事で書きたいと思います。

ここまで読んでいただいたみなさま、ありがとうございました。
リアクションなどいただけると嬉しいです。

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