正岡子規『はて知らずの記』#13 七月三十日 松島→岩切→仙台
(正岡子規の『はて知らずの記』を紹介しています)
名所を見て、再び仙台へリターン。三十日、朝、
雄島に遊ぶ。
橋を渡りて、
細径、ぐるりとまはれば、
石碑、ひしひしと並んで
木立の如し。
名高き座禅堂はこれにや、と思ふに、
傍に怪しき家は、何やらん。
かねて命じ置きたる小舟は
旅宿の前に纜を維いで、我を待つ。
直ちに乗りうつれば、
一棹二棹、
はや五大堂をうしろにして、
福浦島、眼の前に迫る。
此島には竹藪ありて、
穴の無き竹を出だす、となり。
岸づたひに楯が崎をめぐれば