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自分を形作るカメラ 〜変遷記〜

何が好きで、何がしたかったのか。

デジイチから始まり、自分もいい写真を撮ってみたいと、あーでもない、こーでもないと買い換えては手放しを繰り返した結果、手元に残ったカメラ。

デジタルではキヤノンのEOS kissが入口、ソニーのa6000に買い換えてハマったからか、「一眼レフ」のような格好のカメラより、「四角い」カメラがしっくりきた。

a6000でオールドレンズの「沼」にハマり、アナログでの操作性、本体の質感を追い求め、NEX-6に替えてみたり、LumixのGX7に移行してみたり、マイクロフォーサーズのレンズにも手を出すことになった結果、一旦G8に行き…

結局「四角い」、オールドレンズの操作感もある、かつフィルムライクな仕上がりにできる富士のX-E3に落ち着いた。

瞬間的な露出、好みの感じを出してくれるのはデジタルの強み。

一方で、アナログ感を求めてフイルムカメラにもいくつか手を出した。

ジャンク扱いだったコニカC35を1000円程で手に入れた記憶。
はじめてフイルムを入れて使ってみた時は感動した。
結局、レンズが微妙に歪んでいて、徐々にピント合わせができなくなったので手放す。

キヤノンQL17GIII、コニカC35に続いて「コンピューター的なのがあるわけでもなく、なんでシャッタースピード決めれるんだ」と古き良きフイルムカメラへの興味を見事にそそり立たせ倒してくれた。
同時に、そこそこ勝手に露出を決めてくれるなら、デジカメと仕事が被ると思いはじめ、じゃあもっと小さくて、デジカメの傍らで遊べたらいい、とポケットサイズのオリンパスのXAを加える。

完全マニュアルなレンジファインダーが好きなんだ、と気付けば行き着くところはライカ。「いつかは」と下調べばかりしているうちに、少しずつ入ってくるコピーライカや他のメーカーのレンジファインダー機の情報。

ライカを意識したのか、独自の路線を追求したのかはわからないが、ニコンのSシリーズの「尖り具合」が気になり始める。しかも「復刻版」が存在し、美品が多いと聞く。

復刻版には賛否あるとも聞くが、ここまで興味を持たせ、まだ使える綺麗な個体が多いS3とSPは、完全に自分を「その気」にさせた。
複雑なファインダー機構を備えるSPより、自分に必要な機能だけがばっちり揃った、且つ中古カメラ屋巡りで美品に出会えたS3を手にする。

これはもう虜。
重量感、フイルム装填の手順、巻き上げ感、シャッター音。
どれを取っても「いやいや、ライカを知らんでしょ」言われるだろうが、これがしっくり来た。ライカもいいだろうが、自分にはこれがいい。趣向なんてそんなもの。

正直これだけの写りなら、ホントにこれでいい。

フルマニュアルで色々手探りだが、使い始めると自分にど真ん中。このままではS3がメインのカメラになる。
なにせ「フイルムライク」どころか「フイルム」で、「四角い」、存分に遊べるカメラだからだ。これですべてを満たしている。

ライカもいいのだろう。質感はオリジナルとは違うだろう。が、自分にとっては問題ではない。自分にとって「いい」。友達みたいなものだ。人間関係の感覚に近いのかもしれない。S3とは長らくの付き合いになりそうだ。

防湿庫にはこの3台がいる。メインとなるであろうS3、手ぶらで出かけたい時のXA、好みに合わせて手軽に写真を撮らせてくれるX-E3。
「みんな違ってみんないい」というわけではないが、自分にとって、この3台が絶妙な棲み分けをしている。色んな状況で、この3台が自分にとって完全なバランスをとっている。それぞれの状況で自分の好きなカメラを使える。

色々経たが結局、フィルムが好きで、レンジファインダーが好きだったのだ。
いい写真は撮ってみたい、が同時に「好きなカメラ」で写真を撮りたかったのだ。自分にはそれが大事なこと。そう行き着いたのでここで吐露する。

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