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ikawa.arise
2021年2月4日 18:48
若菜晃子の『旅の断片』は世界19カ国での旅の記憶を主観に従って短く切り取った旅のエッセイである。世界各地で素朴に暮らす人々の飾らない姿と、雄大な自然を感じさせ、清涼な読後感が心地よい一冊である。 あくまで旅行者の視点で旅の素晴らしさを伝えることが主眼の本書だが、ところどころ、旅をした時点では会社員だった著者の悩みを書きとどめた、ある種生臭い箇所がいくつか存在する。そこでの著者は仕事の意義を疑