井川夕慈

1980年生まれ。ジャーナリスト・評論家の立花隆が提唱する「調べて、書く、発信する」を…

井川夕慈

1980年生まれ。ジャーナリスト・評論家の立花隆が提唱する「調べて、書く、発信する」を実践するため、2019年より電子書籍の制作を開始。関心の対象は、ヒトの未来・映画・ラグビー・外国経済・旅など。 https://ikawayuji.blogspot.com

マガジン

  • 『安倍晋三 回顧録』を読む。

    何者だったか? 2010年代はどんな時代だったか?

  • 韓国プロ野球 我が愛しのロッテ・ジャイアンツ応援歌(限定)

    韓国のプロ野球チーム ロッテ・ジャイアンツの応援歌(プラスα)を日本語訳つきで紹介しています。まずは無料マガジンの記事からお試しください。 ※このマガジンの記事は、2015年前後の筆者の体験にもとづいて作成したものです。必ずしも最新の情報を反映したものではない点にご注意の上、ご購読ください。

  • マキャヴェッリ『君主論』の前半だけをスケルトンにして味わう

    マキャヴェッリの『君主論』を楽しく読んで行きます。

  • Kindle本(電子書籍)のご紹介

    井川夕慈のKindle本(電子書籍)の紹介です。

  • ちゃんと理解しようSF映画 シリーズ

    井川夕慈のKindle電子書籍『ちゃんと理解しようSF映画』シリーズの紹介です。

最近の記事

『安倍晋三 回顧録』を読む。#6 付録:故安倍晋三国葬儀における友人代表・菅義偉による追悼の辞

「あなたの判断はいつも正しかった。」 2022年9月27日、安倍晋三の国葬儀が日本武道館で行われた。  その中で、長らく安倍内閣で官房長官を務め、首相の地位を引き継いだ菅義偉が、友人代表として「追悼の辞」を述べた。 「あなたの判断はいつも正しかった」  菅がそう読み上げたところで、私には震えがきた。  私的な場での発言ならともかく、ある政治家の無謬性を礼賛するなど(しかも友人代表とはいえ前首相が)、およそ公的な場にはふさわしくないものと直感され、身体が反応したのである。  ス

    • 国会審議名(迷?)場面集②――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

       以前、以下の記事で国会審議の名(迷?)場面を紹介した。  あれは法案が付託された委員会における質疑を対象にしていたのだが、このほど、それ以外の委員会においても注目すべき質疑を見つけたので、前回に引き続き紹介することにしよう。 ■「支援金は保険料」首相が明言。 立憲民主党・早稲田ゆき (2024年2月6日 予算委員会@衆議院) ■摩訶不思議。〝着目〟すると負担がゼロになる!? 立憲民主党・井坂信彦 (2024年2月21日 予算委員会@衆議院) ■事前通告しないと大

      • 『マキャヴェッリ『君主論』の前半だけをスケルトンにして味わう』#1 歴史はこうなっている

        はじめに ふとしたはずみからマキャヴェッリの『君主論』(一五三二年)を読んだ。  意外に面白かったので、形にしておきたくなった。  全二六章。  この書を、大きく二つにぶった切ってみたい。 「第一五章 人間が、とくに君主が、称賛されたり非難されたりする事柄について」に次の文章が出てくる。  私が目をつけた〝境目〟は、ここである。  ここから先は、よき君主であるためには、権力を長く維持するためには、君主たる者どうしなければならないか、について書かれていると思う。  日本人

        • 『ざっくり理解する自衛隊――読書日記』 いざという時、本当にこの若者たちが守ってくれるのだろうか?

          井川夕慈のKindle電子書籍『ざっくり理解する自衛隊――読書日記』より一部を抜粋して公開します。 はじめに 沖縄行のフェリーの上で 沖縄まで船で行って来た。  波に揺られて沖縄まで行く、という体験を一度してみたくて。  そうすることで、本土から沖縄までの〝本来の距離感〟のようなものを会得できるのではないかと思った。  調べたところ、現在は鹿児島からならフェリーが出ているらしい。  それでわざわざ那覇へと向かったのだ。桜島の見える街を経由して。  乗ってみての感想は、まあ

        『安倍晋三 回顧録』を読む。#6 付録:故安倍晋三国葬儀における友人代表・菅義偉による追悼の辞

        • 国会審議名(迷?)場面集②――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

        • 『マキャヴェッリ『君主論』の前半だけをスケルトンにして味わう』#1 歴史はこうなっている

        • 『ざっくり理解する自衛隊――読書日記』 いざという時、本当にこの若者たちが守ってくれるのだろうか?

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        • 『安倍晋三 回顧録』を読む。
          6本
        • 韓国プロ野球 我が愛しのロッテ・ジャイアンツ応援歌(限定)
          35本
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          7本
          ¥150
        • Kindle本(電子書籍)のご紹介
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        • ラグビーW杯フランス大会2023
          7本

        記事

          2001年以降の邦楽ヒット曲ランキングを振り返る with 変な歌

          (私的メモのような投稿になることをご了承ください。)  以前、筆者は2001年以降に流行歌を聞かなくなったと書いた。  さらにアナログ放送から地デジに移行した2011年以降、テレビを見ることもなくなったため、その手の情報がますます入らなくなった。  あれから20年以上が経ち……  現在のJ-POPの状況はどうなっているのか、2001年以降の邦楽界はどのようになっていたのか、フト気になったので調べてみることにした。  なお、調べには以下のサイトを参照した。  基本的に年間

          2001年以降の邦楽ヒット曲ランキングを振り返る with 変な歌

          森〇学園公文書改ざん事件と『今昔物語集』

           平安末期の成立と云われる『今昔物語集』を読んでいたら、面白い話に出くわした。巻第二十九「日向守□□殺書生語第二十六」だ。  現代語訳しよう(井川訳)。  森〇学園公文書改ざん事件を想起させるので紹介したくなった。  権力者のやることは今も昔も変わらない、ということか。 おススメの記事

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          国会審議名(迷?)場面集①――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

           2024年6月5日、子ども・子育て支援金制度を創設する法案が成立した。  その衆議院における質疑の中から、これは名(迷?)場面、と思われたものを紹介しよう。 ■こうして審議は始まった。立憲民主党・山井和則との〝言ってはいけない1700円〟問答 (2024年4月3日 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会@衆議院) ■少子化対策の成果は意識アンケート調査!? 立憲民主党・井坂信彦 (2024年4月3日 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関す

          国会審議名(迷?)場面集①――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          支援金制度のキーマン・熊木正人の言葉――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

           子ども・子育て支援金の制度創設に関する国会審議を見ていると、どう見てもキーマンと思われる人物がいる。  こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室長の熊木正人(くまき・まさと)だ。  彼が理論武装の〝要〟になっていると思われる。  これまで見落としていたのだが、2023年12月に「こども未来戦略」が策定される際、「こども未来戦略会議」と並行して、「支援金制度等の具体的設計に関する大臣懇話会」なるものが二回開催されていた。  その議事録を見ると、構成員から出た質問にまと

          支援金制度のキーマン・熊木正人の言葉――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          資料集――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          子ども・子育て支援金の創設に関して、記録を残しています。(随時更新します) 2023年1月23日 岸田内閣総理大臣施政方針演説 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0123shiseihoshin.html 2023年4月7日 こども未来戦略会議の開催を全世代型社会保障構築本部が決定 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/index.html

          資料集――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          将来のために書き残す――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          将来の教訓のために「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」が国会で審議されている。  法案は、衆議院をアッという間に通過した(3週間足らず)。  先週金曜日に、参議院の本会議で、趣旨説明および質疑が行われた。  このまま行けば法案は、6月に成立するだろう。  そうなれば、2026年度(令和8)から、子ども・子育て支援金(以下「支援金」)の徴収が開始される。  ニッポンの皆さんは、それでいいのだろうか?  衆議院の審議を通して、私たちが国会に送り込んだ代表たちの意見が

          将来のために書き残す――「子ども・子育て支援金制度はこうして始まった。」

          なぜ「こども・子育て支援金」なのか? こども未来戦略会議の議事録に理由を探る

          「こども・子育て支援金」なるものが2026年度から徴収される――そうなるように政府・与党が手続を進めている。  このまま行けば法案は、与党の賛成多数で国会を通過し、制度が実現するだろう。  支援金は医療保険者を通じて徴収される。  当たり前だが、子育ては医療ではない。  それなのに、なぜ医療保険の保険料を模して徴収するのか?  仮に広い拠出が必要として、なぜ消費税の仕組みを活用しないのか? (閣議決定した「こども未来戦略」には「少子化対策の財源確保のための消費税を含めた新た

          なぜ「こども・子育て支援金」なのか? こども未来戦略会議の議事録に理由を探る

          河野洋平・元衆議院議長のオーラルヒストリーを読む 「空気」が支配した細川護煕とのトップ会談

           第71・72代衆議院議長・河野洋平のオーラルヒストリーが公開された。  かなりざっくばらんに語っている。  面白い、と感じたので紹介したくなった。 「政治家は絶対やりたくない」 河野洋平と言えば《総理大臣になれなかった自民党総裁》だ(もう一人は谷垣禎一)。 〝不運な人〟のイメージが強い。  二世議員だが(父は河野一郎)、「政治家は絶対やりたくないと思っていたんです」(19頁)と言うだけあって、その経歴は一本道ではなかった。 ①丸紅に就職 ②自民党議員として当選 ③自民

          河野洋平・元衆議院議長のオーラルヒストリーを読む 「空気」が支配した細川護煕とのトップ会談

          『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』 常守朱はなぜ法外に出たか?

          初見の感想『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』(2023年)を遅ればせながら見た。  感想は3つある。 ①よくわからない点がある ②これまでと同じだなぁ ③常守が槙島になった!  ①の具体例は、潜入捜査官はなぜ自傷行為に及んだのか、本部長はなぜ自殺したのか等である。  レンタル動画の良いところは何度でも再生可能な点だ。  疑問点に注意しながら見直したら、だいたい解った。  映画館で見て、私と同じように「わからない……」と感じた方もいらっし

          『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』 常守朱はなぜ法外に出たか?

          予備費とは何か 3500億円→5000億円→10兆円!?

          憲法に基づく制度「予備費」なる言葉をよく聞くようになった。  例えば、  とOECDからも言われている。  そこで予備費について調べてみた。  以下に備忘として記録を残しておこう。  予備費は憲法に基づく制度である。  財政法では次のように定めている。  予備費は事前議決原則(日本国憲法86条等)の〝例外〟であると言われる。  使途につき、事前の国会議決を経ないためだ。  予備費に似た制度に「補正予算」がある(財政法29条)。  補正予算は事前に国会議決を経る。  

          予備費とは何か 3500億円→5000億円→10兆円!?

          『新税・悪税・良税 一九八八年の国会会議録に学ぶ「消費税はいかにして始まったか?」』

          井川夕慈のKindle電子書籍『新税・悪税・良税 一九八八年の国会会議録に学ぶ「消費税はいかにして始まったか?」』より一部を抜粋して公開します。 はじめに ~一円玉の記憶~ 日本で消費税が始まったのは1989年4月1日だった。  その時、私は小学4年生だった。  母親とスーパーマーケットに買い物に来ていた。  レジで、一円玉を使ってお釣りがやりとりされた。  それを目の前で見ていた9歳の私は、生意気にもこう言った。 「そんなの、意味あるの?」  店員のお姉さんは苦笑していた

          『新税・悪税・良税 一九八八年の国会会議録に学ぶ「消費税はいかにして始まったか?」』

          『忍耐して進め! 一九〇八年の樺太探検記』 かつて日本の領土だった樺太とはどのような場所だったのか?

          井川夕慈のKindle電子書籍『忍耐して進め! 一九〇八年の樺太探検記』より一部を抜粋して公開します。  かつて日本の領土であった樺太とはどのような場所だったのか?  何か面白そうな古書はないかと漁ってみたところ、『樺太探検記』なる書物を見つけた。発行は1909年(明治42年)である。  読んでみたら、これが何とも〝珍〟な内容だったので人に紹介したくなった。  それがこの本を作ることにした理由である。 …… 鮪の鋸屑~波高く夜暗し 12月25日正午、ボーウボーウという

          『忍耐して進め! 一九〇八年の樺太探検記』 かつて日本の領土だった樺太とはどのような場所だったのか?