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あなたの「大好き」はなに?

「聴く」×「よさカード」

「聴く」をテーマに「よさカード」を引いて、様々なことを語るシリーズ。
今回のよさカードはこちら。

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人は「大好きなもの」や「大好きなこと」を語るとき、とても熱量が上がる。
私は話を聴いているとき、そう感じる。

例えば私の大好きなこと。
 □ 七十二候のカレンダーを眺めること
 □ 歴史小説を読むこと
 □ 季節を感じる場所に出かけること
 □ 写真を撮ること
 □ 間違い探しをすること
 □ 日本の伝統色やかさね色の本を眺めること
 □ penthouseの音楽をきくこと
などなど。


これらについて、もし話を聴いてくれる人がいたら熱く語るだろうし、そうでなくても語りたい気持ちはある。

誰の中にもきっと何かしらの「好き」という気持ちはあるだろう。
というのが私の大前提だ。

誰かの話を聴くときには、その前提を一度心の中で認識してから聴き始めることにしている。

先程の私の「好き」の中に、これを読んでいるあなたとの共通項はあっただろうか?
1つでもいいし、複数でもいい。
何ならこじつけでもいい。
その共通項があることで、随分と「聴く」ことが楽しくなるのではないかな、と思っている。

そして、「好き」の対象や濃度、方向は違っていても、相手と自分の共通項として「好き」という気持ちが存在するだろうと思っている。

例えば、対象となる本のジャンルこそ違えど、「本を読む」ということは好きだとわかったら、質問したいことがいろいろ出てくる。
◇ あなたはどんなジャンルが好きなの?
◇ その中でどの作家さんが、どの作品が好きなの?
◇ どんなところが好きなの?

自分の「本を読む」という経験と照らし合わせると、訊きたいことが出てくる。


そして私自身が大切にしていることは、
『相手の「好き」という気持ちを大切にすること』

偶々、好きな対象が同じだったら無条件で盛り上がれる(例えば好きなアーティストが同じ、とか)けれど、そうじゃなかった場合、ついつい自分の「好き」を話したくなってしまうことがある。

しかし「聴く」という場面においては、まずは相手のことを「聴く」。つまり、相手の気持ちを大切にしたいと思っている。

「そっか!そういうところが好きなんだね」
「へー、面白い視点だね」
「どんな時にそれにハマったか聴かせてほしい」


相手との間にある「好き」の共通項を少し丁寧に見て、その人が大切にしているものを一緒に大切にしながら、話を聴く。

そして、もちろん私も自分の「好き」について話したくなるときがある。
そういうときには「ちょっと私の好きなことについても話したいけど聴いてくれる?こういうところがあなたと一緒だと思ったんだ」と言って、聴いてもらうことがある。


*   *   *
この「自分の好き」に話を引きずり込まない、ということと
「相手の好き」に自分を合わせすぎない、ということについての感覚を掴むのに、私は随分と時間がかかった。

いつの間にか自分だけが気持ちよく話してしまっていたり、相手に気に入られようとして「そこまでの気持ちは、私にはわからないな」という気持ちを押し殺して無理に合わせていたり。
そういう時は一人になって恥ずかしさに悶絶したり、合わせることに疲れてしまったりしていた。

大切なのは、相手の気持ちを大切にすることと、同時に自分の感覚も大切にすることなんだなと、今さらだけど感じている。



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