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結婚した

久しぶりに会った大学の同期Yと
交際期間2週間で

後輩から結婚報告を受けて
え、わたしも結婚したい!ってなって
婚姻届をもってYの家に向かう

「ねぇ、何を血迷っているの?
 まだ付き合って2週間で、
 逆やられたらどん引きするのに、
 それを相手にするの?
 プロポーズもされてないよね?
 ちょ、ちょっと待ちなさいってば!」

と血の気がひくわたしの良心が必死に叫ぶなか
お構いなしにぐんぐんYの家に向かって進むわたし

婚姻届を机に叩きつけたら
Yは驚きをやや顔を引き攣りながら了承してくれて

29年の生きてきたなかで
一番の充足感を感じて、目の前が明るくなった

ぱちりと瞬きをすると
部屋干ししているタオルがゆらゆらと揺れ
エアコンがブォーと音を立てて温風を吐き出し
家の古びた照明が煌々とついていた
夢だ

そう、結婚をしたのは夢の中だ

がばっと起き上がるとカーテンからやんわりと光が差し込んでいる
慌ててスマホで現在時刻を確認する
今日は始業前から会議あるから7時には家を出なきゃいけなくて
6:30!セーフ!

慌てて準備をして、家を出た
電車に揺られながら、この文章を打っている

文章に残そうと思うような夢だった

まずは状況を整理しよう

昨日は寝ようと思って布団に入っていない
いつ布団に入ったのか覚えていない

起きたときには布団から足がはみ出ていたので
気を失うように倒れ込み
死んだように寝たようだ

おかげでいつもなら夢を見ている途中で
夢だと気づくのに、今日はそれが起きなかった

登場人物の後輩は実在し
つい1週間前に結婚のご報告をいただいた

Yも実在する人物であるものの4年会っていない
2、3回しか飲んだことがない上に、
だいぶ前に人づてに結婚したらしいと聞いたくらいの薄い関係性であったので
なぜこの人選なんだと驚きを隠せない


そして、なによりも驚いたのは
わたしが心の奥底でやんわりと感じていた
「結婚を一種のタスクと感じていること」が
夢を見たことでより鮮明に浮かび上がったことだ

婚姻届に判を押してもらったときに感じた達成感
それは仕事で数十億円の案件を競合と競りに競った結果、獲得した時に感じたものに酷似していた

クライアントのニーズを把握して
競合分析をし、どこが優位であり、また劣後しているかを明確にし
勝つためには何が必要かやるべきことを書き出し
プライベートの時間も注ぎ込んででも
すべての
やるべきことを実行していった上での勝利だった

ことの進め方や、人との仕事の仕方など
改善が必要なことはいくつかあるが
個人的にはplan→doが一気通貫でできた上で
最良の結果を導き出せた

その時に感じた達成感と酷似しているのだ
結婚が

衝撃的な事実である


ただなんとなく腑に落ちた
もともと男の人とデートに行くのが
好きではなかったのに
好きでなさに拍車がかかっている
にも関わらず、いまだに月一以上でデートに行けるようにマッチングアプリを続けている理由の1つは
きっとこの「結婚を一種のタスクと感じていること」がある

周りの友人が当たり前のように結婚をしていく

わたしにもそのタスクが振られているのに
達成できていない

これだけ目標を立てて実行するのが好きなわたしのことだ
チェック機能もばっちり搭載している

前回のデートの反省を活かして
言葉遣い、目線、話題、洋服、をどんどん改善していく

PDCAサイクルが回れば回るほど
2回目のデートに誘われる確度は上がってきた
ちゃんと機能しているPDCA、仕事としては大成功

なのに
どんどん男の人と出かけるのが億劫になっていく
出掛けていても、本体は幽体離脱をして
少し上の方からデート風景を眺めている

ぜんっぜん楽しくない


そりゃそうだ

だって結婚はタスクじゃないもの


せっかく気づくチャンスが与えられたのだから
結婚=自分に与えられたタスクという呪縛から解放されたい◻︎


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眠れない夜に

東京から離れ 本の世界に旅行に行きたい =✈︎