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就活学年増設、大学を5年制にしろ!

経団連は、大学生の就活解禁の時期を3年生の3月1日以降に繰り下げた。何だがご大層なことのように言っているが、私はこれまでと大差ないように思う。学生や企業は、それぞれの立場で賛否を論じているが…。

大差ないと思う理由は、いずれにしても、まともに勉強できない期間が1年以上あるということに変わりがないからである。

大学4年間のうち、1年間は就活に右往左往しなければならない。専門的な勉強に本腰を入れられるとは、到底思えない。何のための大学なのか。専門の知識を得るために行っているのではないのか。

疑問に思っている学生も多いだろうが、社会の仕組みがそうなっている以上、反骨精神を持ったところで、同じように行動しなければ、自分が損をしてしまう。おかしな、そして理不尽な社会である。

企業も優秀な人材が欲しいのなら、しっかりと4年間勉強した人を採用すべきである。より早い方が優秀な人材を確保できると思っているようだが、教養課程2年間+専門課程1年間しか勉強していない、中途半端な人の能力を見抜くことができるのか。

大学の本来の勉強は、3年生から始まる。研究室に入り、専門知識を深めていく。そこで学んだことを社会に活かす。大学の存在理由は、ここにある。

いまの大学は、就職のための名ばかりの経歴づくりに過ぎない。「どこそこの大学を出た」。それが一体何になる。何を学んできたのかが重要なのではないのか。2年間遊んだ後の、たった1年間の専門課程では、何の能力も身についていない。

そんな人たちが多いから、就職後3年以内の離職率が高いのである。自分のやりたいことが明確になっていないから、「この会社は違う」となる。名前や業績だけで選ぶから、目標を見失う。大学でしっかり勉強していないから、自分の目指すべき道がわからないのである。就職のための大学は、そんな人間ばかりを世に送り出している。

この問題を解決するには、根本的な制度改革を行わなければならない。就活解禁の繰り下げなど、まったく意味がない。大学では、4年間しっかりと勉強させるべきである。そして、大学をもう1年増やし、その1年間を就活期間としてはどうか。4年間の勉強の後、就活に専念する。

勉強と就活を両立させるのは、かなり厳しい。結局、どちらも中途半端になる。ならば、1年間をかけて、じっくり探せば良い。しっかり勉強しているので、自信もついているはずだ。自己アピールもしやすい。企業としても、能力を持った人材が増えることは、喜ばしいはずである。

チマチマと小賢しいことをしていたって、何も解決しない。大きな制度改革で、一気に新しい道を切り拓いてはどうか。

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