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【マーケ基礎】質を落とすと、すぐにバレる。

売り上げを伸ばしたい。利益率を高めたい。

その方法のひとつとして、
「原価を下げる」ということも考えなければいけません。

仕入れ先を変えたり、まとめ買いで
値引きしてもらったりすることができますが、
この「原価を下げる」には、落し穴があります。

特に苦しい状況のお店がやってしまうのは、
「質を落とす」ことです。

いけないことはわかっているのですが、
“気づかれないだろう”“少しくらいなら”と、
安易な方向へ行ってしまいます。

あれこれ考えなくて済みますから。

でも、お客さまを侮ってはいけません。
絶対にバレます。

“最近、質が悪くなったなぁ”
“最近、味が落ちたなぁ”は、よくあることです。

一度、そのことにお客さまが気づくと、もう手遅れです。

二度と来ていただけません。

ひとりふたりと消えて行き、やがて、お店は潰れます。

私の家から車で10分くらいのところに、
お豆腐屋さんがあります。

移住して来た頃、そのお豆腐屋さんは、
地元の人だけでなく、遠くからも買いに来るような、
ちょっとした有名店でした。

豆腐好きの私も気に入って、時々買っていました。

田舎風の、硬めで味の濃い豆腐でした。

ところが、数年前から、かなり味が落ちました。

ひと口でわかるくらいに。
水っぽいのです。
つまり、味が薄い。

豆乳も売っているのですが、
“なんだこれは?後で水を足しているのか!”
というほどのマズさ。

こんな豆乳で作った豆腐がウマいわけありません。

豆乳を固めただけの「おぼろ豆腐」も
食べてみましたが、味がありません。

本当なら、豆乳臭さがあるはずなのですが。

以前は、お店の前に他県ナンバーの車が
よく止まっていたのですが、
最近は、地元の車さえ、あまり見なくなりました。

“あそこは美味しいわ”という噂も聞かなくなりました。

どうやら、二代目が実権を握り始めてからのようです。

お店がダメになっているんだろうな、ということは、
最近の行動でもハッキリとわかります。

お店の横の庭に、白いテーブルと椅子を置いて、
「テラスでお豆腐」などとバカなことをやっていました。

庭で豆腐を食べろというのです。

豆腐懐石を美しい庭園で食べるのとはわけが違います。

豆腐アイスなら、常套手段としてはありますが。

また、住宅街で移動販売もやり始めたようです。

美味しければ、それも手立てとしてはありますが、
あの味では。

もう、末期症状です。

いかがですか?

安易に質を落とすとこうなってしまうのです。

もし、以前の味に戻したとしても、
昔のような繁盛を得るまでには、
かなりの時間が掛かってしまいます。

信用を落とすのは、2、3日。
それを回復するのは、何年もかかります。

「質を落とす」。
絶対にやってはいけないことです。

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