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【マーケ基礎】ニーズを探す商売・ウォンツを創る商売。

経済紙を読んでいる時、
あるタイトルが目に留まりました。

登山者の健康守る「雲上の診療所」。

長野県と岐阜県をまたぐ槍ヶ岳には、
中高年の登山者が続々とやって来ます。

最近のブームもあり、
登山に慣れていない人たちが多く来ることで、
問題も起こっています。

山頂近くにある槍ヶ岳山荘内には、
東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所があります。

1950年に登山者の安全のために開設。
登山中の事故や高山病に対処しています。

特に怖いのが、高山病。
慣れない人は、自分のペースがわからないので、
酸欠になり、高山病にかかりやすいのです。

この診療所は、医師のボランティアや
病院からの薬品の提供により、
運営されているため、保険の適用外です。

しかし、初診料1000円、治療費は実費分だけなので、
登山者にとっては、心強い存在になっています。

「何で、そんな話を?」と思われるかもしれませんが、
実は、商売とは関係ないように見えて、
本当は、大きなヒントになるのです。

山を登る人というのは、山の好きな人です。
それは、「ファン」や「マニア」と
言い換えることができます。

ファンやマニアが集まって来る場所なら、
商売ができますよね。

「必要なモノ」「欲しがるモノ」を売れば良いのです。

この診療所は、まさに「必要なモノ=ニーズ」なのです。

怪我をしたり、病気になった人にとっては、
なくてはならない施設です。

たまたま、ここは、営利目的ではなく、
商売としては成り立ちにくいかもしれません。

しかし、確実にニーズがあることは間違いありません。

こうしたニーズを、あなたに探し出して欲しいのです。

ファンやマニアはどこにいるのか。
どうすれば、呼び込むことができるのか。
どんなモノを必要としているのか。

これを探し出せば、商売は間違いなく成功します。

「そんなことはわかっているよ。それが難しいんだよ」
と言われる方もいるでしょうが、
難しくても考え続けなければ、成功などあり得ません。

「わかってるよ」と言っていても、
本当はまったくわかっていない店主も多くいます。

ターゲットを絞り込まず、
「幅広い層のお客さまに来て欲しい」
と言っている店主が、いまだにいるのです。

まともな商売の本を1冊でも読んでいれば、
そんな考えは持たないはずなのですが。

お店のファンを創りたいのなら、
まず、ファンになって欲しいお客さまの層を
絞り込むことです。

その上で、お客さまが必要としているモノを探り、
提供すれば良いのです。

私は登山をしないので、
槍ヶ岳に診療所があることなど、
まったく知りませんでした。
これは、助かりますよね。

登山者にとって“助かる存在”。

お店もそうありたいものです。

この記事には、もうひとつヒントがあります。

「槍ヶ岳山荘」です。

山を登って、疲れた。ゆっくり休憩したい。
何か食べたい。飲みたい。
日帰りはキツいので、泊まりたい。

登山者のこうした“欲しているモノ”を
提供しているのが、この山荘です。

つまり、「ウォンツ」に対応しているのです。

「ここにあれば、いいのになぁ」を予見して、
作られた施設です。

登山者にとって“欲しい存在”。

これも商売の基本です。

私が注目したのは、同じターゲットを相手にしながら、
一方は「ニーズ対応型商売」、
もう一方は「ウォンツ対応型商売」。

しかも、
同じ場所で同時期に商売しているということです。

これは、昔の商店街や
現在のショッピングセンターに似ています。

“集まって来る人”が大勢いる場所では、
商売がやりやすいということです。

では、人通りの少ない個人商店では、
商売はうまくいかないのでしょうか。

いいえ、人を呼び込めば良いのです。

お店に特長を持たせ、付加価値を創り、
“このお店でなければ……”と言われるようになれば、
人は集まってきます。

しかし、並大抵のことではありません。

そこで、槍ヶ岳の診療所と山荘のように、
同じターゲットを想定しているお店同士が、
手をつないで、ニーズとウォンツに対応した、
商品・サービスを提供するのです。

そこに行けば、必要なモノと欲しいモノが
手に入る場所を創るのです。

さまざまな個人商店がネットワークを組み、
商店街やショッピングセンターを創り出すのです。

地理的には離れていても、何らかの方法はあるはずです。

その方法は、あなたが考えてみてください。

ひとりひとりの力は小さくても、
集まれば、大きなことができます。

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