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回転寿司の「かっぱ巻き」は、なぜ2周まわらないのか?

少し前から気になり始めたことがある。にぎり寿司の「かっぱ巻き」という存在。

誰が食べるのか? 店で食べるほどのものか? そんなもので腹を満たしても良いのか? 他にもっと旨い寿司があるだろう!

あくまで私の個人的な感想なのだが、どうでも良い存在として扱ってきた。嫌いではないが、同じ金を払うのなら別のものを食べたい。

ある時、回転寿司のまわるレーンを見ていて、ふと気づいた。「かっぱ巻き」が3皿4皿、行列で流れていた。そんなに流して誰が食べるのか、とバカにしていた。

ところが、レーンが2周目にやって来た時には、「かっぱ巻き」が消えていた。つまり、「かっぱ巻き」を食べる人がいる、ということである。

メニューとしてあるのだから当然のことなのだが、私には不思議であった。同じ金額を払うのなら、他にもっと旨いネタがあるだろう、と。なぜ、きゅうりを巻いただけのものを好んで食べるのか。

もうひとつ、不思議に思う光景を目にしていた。注文品として、「かっぱ巻き」が4皿流れていたこと。驚きである。注文してまで食べたいのか。そんなに好きなのか。

どんな人が皿を取るのかを見ていると、子ども連れの4人家族だった。家族全員が「かっぱ巻き」を好きだということである。

「かっぱ一族か!」と、くだらないツッコミを入れてしまうほど、衝撃的な出来事である。私の偏見は改めなければならない。世の中には、「かっぱ巻き」を好きな人がいるのだと。

そこで、「かっぱ巻き」を食べる人の意見をネットで拾い集めてみた。

・脂の多いネタを食べた後、口をさっぱりさせるために食べる。

・歯ごたえのさっぱり感がいい。シンプルだからこそ旨い。

・青臭い爽やかな香りが、鼻からスーッと抜ける。

・わさびがツーンと鼻に抜けていく感覚が心地よい。

・一番シンプルで、シャリの味がわかる。

・わさびのツン、きゅうりのシャキ、酢飯のさっぱり感がいい。

・飽きずにいくらでも食べられる。

以上のような理由を見つけることができた。

大多数の人は、私と同じように「どうでも良い食べ物」として捉えているが、好きな人は少なからず存在する。その理由を知ると、共感できる部分もある。

これほどシンプルな食べ物を好んで食べる人は、小粋でお洒落だとも思うようになった。

これで、私の疑問は解決した。回転寿司の「かっぱ巻き」が1周目で無くなるのは、「かっぱ巻き」の奥深さを知る、“寿司上級者”が食べているからである。

回転寿司で“上級者”と言うのもためらうが、少なくとも私のような俗物ではないだろう。

最後に余談だが、「スシロー」と「くら寿司」では「かっぱ巻き」と言わず、「きゅうり巻き」と呼んでいる。理由は、ライバルの存在。

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