汗かきは“がんばっている”と評価される。
私は汗かきである。人と同じことをしていても、2倍3倍と汗をかくので、一所懸命に動いているように見られる。それで、得をしてきた。
「がんばってるね」と言われれば、「いやぁ、汗かきなだけです」と正直に言う。すると、謙遜していると思われ、さらに好印象を持たれる。嫌なやつに感じるかもしれないが、わざと言っているわけではない。
日本人は、人を評価する時に、印象や感情に左右される傾向がある。“どれだけ成果を上げているか”より、“一所懸命にやっている姿”を評価してしまう。
私が評価されているのと同じように、長時間残業をしている人を“がんばっているな”と、評価してしまうのである。
これは、明らかな間違いである。実質的な仕事内容と成果を評価すべきであって、時間はまったく関係のないことである。
こんな評価をしていては、本当に能力の高い人をないがしろにしてしまう。高い集中力で、効率よく仕事をこなしている人を見過ごしてはならない。
時間が掛かっている人は、仕事の進め方が悪いだけかもしれないし、能力が低いのかもしれない。残業代を稼ぐために、ダラダラと適当にやっている可能性も否定できない。
どれだけの仕事をこなし、どれだけの成果を上げているか。上司は、そこを重点に見極めなければならない。
がんばっている人を評価するというのは、日本人の美徳のようなところがあるが、ビジネスにおいては不要である。
「能力主義」と言うと、冷たく感じるかもしれないが、組織で働く限りは、能力第一でなければならない。
能力のある人が評価されてこそ、やりがいのある、生き生きとした職場となるのである。すなわち、企業の成長にも繋がるものである。
もちろん、職種により一概には言えないが、働く人を正当に評価できない企業は、業績を上げることも難しいのではないか。
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