イギリス人は、“EU離脱”で幸せになれるかも!?
イギリスのEU離脱によって、世界経済への影響が懸念されている。「リーマンショック級マーケットの混乱」とも。
なぜ、一国の離脱がここまで他国に影響を与えるのか。
答えは簡単。“繋がっている”から。
EUとして、人とモノの流れが自由になっているため、離脱によって流れが止まってしまうからである。
だが、EU以前はどうだったのか。不便さを感じることなく、ひとつの国として、立派に成り立っていたのではないのか。現状から考えれば、経済面ではマイナスかもしれないが、昔に戻るだけのことである。
いまさら無理だ、という意見もあるだろうが、離脱がデメリットだけなのかどうかは、現段階ではわからない。俗っぽく言えば、「やってみなければわからない」のである。
“繋がり”を断つことで、他国の影響を受けにくくなる、という考え方もあるはずである。成長の鈍化はあるだろうが、低空飛行で安定させることは可能なのではないか。
高度成長だけが、“幸せのカタチ”ではない。発展することが幸せだとは限らないのである。
「幸せの国・ブータン」を例に検証してみよう。
のどかで美しい自然の中、決して裕福ではないが幸せに暮らし、理想郷とも言われている。“豊かさ”を測る指標、国民総幸福量(Gross National Happiness)を唱え、世界的に名を知らしめた。
労働者の9割が農民で、国民の大半が自給自足に近い暮らしをしている。人びとは民族衣装を身にまとい、伝統建築の家に住む。
だが、そんな理想郷にも近代化の波が。外界との繋がりを持つようになり、さまざまな問題が起きるようになった。
空き巣や強盗などの犯罪、若者による薬物乱用が増えている。また、建設分野においては、インドから越境してきた労働者が、国民の仕事を奪っているという。
他国との接触が増えると、こうした問題が起きるのはわかりきったこと。これまで知らなかった“刺激”を覚えてしまったのである。
恐らくブータンは、理想郷ではなくなる。危険も多い、アジアの一国に落ちてしまうだろう。他国との接触が少なかったゆえに、幸せだったのである。
発展することが、必ずしも良いとは限らない。小さな国で、小さな幸せを見つけることも人の生き方だと思うが、どうだろう。
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