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自閉症の我が子、11歳でトイレができた!

私には2人の自閉症児がいます。4人いる子どもの三番目と四番目の子たちです。

三番目の次男は、四番目の次女と比べると、自閉症がちょっと重く、発語は全くありません。言葉によるコミュニケーションがないこと、そして、彼が何を考えているのか、なにをしたいのかを知ることができないのは、親として困ることもあるし、ときに悲しく思うこともあります。

コミュニケーションのほかにもう一つ悶々としていたのが「トイレ」。四番目の次女は支援学校に通ったタイミングぐらいで小も大もできるようになりました。三番目の次男は、学校では小だけ3年生ぐらいの時にできるようになったものの、家ではオムツ。今5年生ですが、一度も学校でも家でもトイレで大をしたことはありません。

昨日うっかりオムツの在庫が切れてしまいました。寒い時期ではないし、ふと思い立って、「オムツなし作戦」をやってみることに。普段は物静かな彼が、めちゃくちゃ泣き、めちゃくちゃ怒りました、履かせたズボンもパンツも脱いで。物や自分や誰かに怒りをぶつけるタイプではないので、これぞ地団駄という感じで、床を強く踏みつけていました。

ま、家の中だしと放っておいていたら、そのうち、パンツを自分から履きました。さらにしばらくすると、ズボンも自分で履きました。そして、なんと自分でトイレに行き、小をしたのです。

でも、ここまでは普段、支援学校でもやっていますから、「おぉぉ、やっと家でもしてくれたか」ぐらいです。夕方に、ちょっと違う様子をたまたま見かけました。親ですし、長い付き合いですから、「あ、大がしたいのかも」と思い、階段に向かう彼を引き留め、トイレに誘導しました。

じゃじゃーん、ビンゴです。

生まれて11年、初めてトイレで大をすることができました。

とはいえ、たまたま見かけて誘導したからのこと。自分から行ったわけではないし、夜寝ているときはどうなんだろう?と思いながらも、まぁチャレンジしてみようと一緒に寝ました。

夜中、物音がして目が覚めると、トイレの電気が点いています。次男がいません。トイレをそぉっと覗くと、次男がタブレットで動画を見ながら、大をしていました。

急いで妻を起こし、ともに喜びを分かち合いました。11年、トイレができなかった彼が、夜中に起き、トイレに行き、大をした。

そして、今日も朝から、何度も自分でトイレに行っております。もしかしたら皆さんにはなかなか理解しづらいことかもしれません。親として、もっと早めに取り組むべきだとの意見もあるかもしれません。でも、筆舌に尽し難く、嬉しかったなぁ。嬉しかったという言葉を超えたナニカに心が動かされたなぁ。

いろいろあるかもだけど、自分と我が子のことをこんな風に「ヒライテ」いく。これからもヒラキ続ける。我ら親子の「障がいについてのヒラキ」が、いつか誰かのヒラクにつながるかもしれないから。障がいのことだったり、認知症のことだったり、家の中で抱え込んでしまっているナニカだったり。自己責任や「家のことは家で」という閉ざされではなく、「ヒラク」ことが依存先と理解を増やすことにつながり、それが本人にとっても家族にとっても、社会全体にとっても、よりよい自立につながると信じて。


めっちゃ笑顔な次男



【2024年6月9日追記】

この投稿からちょうど1年が経ちました。
その後、外出先でもトイレができるようになりました。その話は↓こちら。
我が2人の自閉症児の夏の話 2023 | 世界自閉症啓発デーに寄せて

ちょうど今日、地元のスーパーに一緒に買い物に行きました。買い物を終えて、車に戻ろうとしたところ、手でトイレのある方を指しました。一度は見間違えというか、ただ手をあげただけかなと思ったんですが、「あ、あ」という彼なりの発語とともに、再び、手でトイレを指します。

「トイレに行きたいのか」と思い、一緒に行きましたら、見事、立っションを決めましたw。

これまではこちらから「トイレ行く?」と促してでしたが、今日は、自ら「トイレに行く」意思を示してくれました。

12歳、小学6年生。
ゆっくりと、本当にゆっくりとだけど、でも確実に成長しているんだなぁと思い、本当に嬉しかったです。



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