たくさん屋根の家 プロジェクトのお話#1
依頼は群馬からでした。
実家の敷地内に夫婦の家を増築したいという依頼です。ご夫婦+もうすぐお生まれる予定のお子さんの3人でのおうちで特別な要望はなかったのですが、予算が厳しく、2階建てにしたり、部屋をたくさんつくることが難しい。
敷地に行ってみると、とても広く、立派な日本家屋の母屋が建つ敷地でその横に武骨な四角い箱を立てるのはなんだか抵抗がありました。
そこで母屋の横に、片流れの屋根がバーコードのように分割された家を考えました。
上に持ち上げたり、前にずらしたり、、、
間取りは大きな1ルームですが、屋根を部屋ごとに高さを変えながらかけていくのです。
屋根と屋根の隙間から自然光が入り、部屋ごとに高さが変わるので、間仕切り壁はないものの、なんとなく部屋ごとに分割されている印象になります
また屋根を地面につくまで延ばせば壁をつくらなくていいので費用の節約にもなるのではと考えたのです。
建物の前に広がる庭に対して、屋根を腕のように延ばすことで自分のもののように囲ったり、プライバシーを確保する壁のように設えたり。。。
屋根を使って庭を捕まえることで家が面積以上の広さに感じられるようになります。
予算の関係から、つくる家の面積は最小限に、だけど屋根のちょっとしたデザインでその面積以上の広がりを持たせ、幼少期を過ごした実家の庭と、これからの新しい家での生活をつなぐそんな屋根のデザインです。
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