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不登校が私にくれた景色

 
息子が「学校に行きたくない」と、言い出したのは、小学校1年生の5月でした。
 
「行きたくない」……その日から、私の目の前には真っ暗な世界が広がりました。
 
「どうして?」
「まだ1ヶ月しか経ってないじゃない」
「このまま、ずっと学校に行けないまま大人になったらどうしよう」
「私の育て方が悪かったのか」
「自立できなかったらどうしよう」
「なんで他の子のように楽しく学校に行けないんだろう」
 
ママ友に相談しても、同じ境遇ではないから、気持ちは共有できても何をしていいか分からないんですね。私が1人で真っ暗闇にいるのに、息子は学校を休んで家でのんびりしている。叱ってはいけないと思いつつ、本来外の世界に出発している息子が、家にいるのはそれだけでストレスで、いつもイライラしていました。
 
このページを開いてくれた画面の向こうのあなたも、私と同じような気持ちでいるかもしれません。
 
でも。息子が元気にフリースクールに通うようになり、不登校のママたちとのつながりができるようになると、私たち家族には明かりがともるようになりました。それは希望の明かり。それは未来の明かり。それは笑顔の明かり。
 
学校というレールを外れて、ただの暗闇だと思っていた平野には、無数の道があったんです。先輩たちの切り拓いた道を歩いたっていい。自分で道をつくりだしてもいい。その道が合わないと思ったら、戻って違う道を歩いたっていい。
 
『発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。 マルセル・プルースト』
 
不登校は、不幸で、ネガティブで、後ろ向きで、つまらないもので、私たち親子は学校というコミュニティから見捨てられた存在で、社会からはじかれている、と思っていた私には、その無数にある道が見えていませんでした。

学校外の多様な学びは、とても豊かでユニークで、すごく充実していて、なにより楽しい。そして、いちばん大切な子どもの笑顔がある。息子が不登校になったおかげで、私は新しい景色を見つけることができました。学びもつながりも、そこにあったのに。私は、あるものをないものとして、見ていなかっただけだったんです。
 
大丈夫。学校になじめないことは、悪いことじゃない。子どもに合った社会がきっとあります。

フリースクールで、子どもたちのたくさんのはじける笑顔に出会い、私もそんな場所がつくれたらと、2017年にフリースクールをスタートしました。
 
もちろん、学校外の学びを選択することは、子育ての苦労や工夫は、学校に通うよりもたくさんあります。だけど大丈夫。つらくなったら、まわりを見て。きっとあなたのそばに、多様な学びを選びとった仲間がいます。私たちと一緒に、新しい景色を見てみませんか。

Noteでは、フリースクールの活動記録や、スタッフの子育てエッセイ、イベントのご案内など、たくさんご紹介したいと思っています!

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