【書評】『メモの魔力』の合理性

今回は『メモの魔力』(著 前田裕二)について書こうと思います。

そもそもこんなど素人がものすごく有名な方の著書を評価するなんておこがましいと思いますが、少々私の意見を述べさせてもらおうと思います。笑

この本を読む前に、読了した友人から
「ざっくり言うと世の中の小さなことにも目を向けて、メモを取る。そこから自分で問題提起して考えを養って行動に繋げようみたいなこと書いてあったよ。」
ということを聞いていました。

これを聞いた段階では正直、そのくらいのことかと思っていました。
小さなことにも目を向けるということは私も少しではありますがやっていたことですし、そこからの思考拡大も行なっていました。

しかし実際に読んでみると、想像以上に奥深く、そして合理的な内容でした。

まず前田さんは5つのメモの合理性を説いていました。

①知的生産性の向上
②情報獲得の伝導率向上
③傾聴能力の向上
④構造化能力の向上
⑤言語化能力の向上

1つ目の知的生産性の向上というのは、事実の確認やアイデアの書き出し。
これらをメモすることで知識・知恵を養うというもの。

2つ目の情報獲得の伝導率向上は、情報を素通りしなくなるというもの。
話された複数の情報は、聞くだけだとそのうち1つか2つしか頭に残らない。
しかしメモすることで全てを拾えるというもの。

3つ目の傾聴能力の向上は、文字通りの意味。
普段聞き流してしまうようなことでもメモしようとすることで1つ1つを確実に聴けるし、深められるというもの。

4つ目の構造化能力の向上というのは、メモの書き方によって養われるもの。
話の骨組みを理解していないとメモができないため、自然と話の構造を理解し、俯瞰で見られるようになる。

5つ目の言語化能力の向上も文字通り。
メモを取るために話されたことを文字に起こすから、言語化する能力が養われる。

このようにして見ていくと、そのどれを聞いてもなるほどと合点のいくものでした。
つまり、メモを取るということは非常に合理的。
むしろこれだけ脳を活性化させられるのであれば、推奨すべきものとも思いました。

ただ、もちろんメモを取ることだけでは終わりません。
前田さんがビッグになった所以はここからです。

彼は、
インプットした「ファクト」をもとに、
気付きを応用可能な粒度に「抽象化」し、
自らのアクションに「転用」する。
と述べています。

つまり、メモした情報を元にそれを応用して自分の行動につなげている、ということです。

例えばある対話の中で、「路上ライブ」とメモしたとします。
そこから「路上ライブ」を抽象化し、「自分の得意なことを披露して収益化する仕組み」と変換します。
それを、「オンラインで実現できないか」などという発想と紐づけてオンラインの路上ライブメディアを創るという行動に繋げるわけです。
実際にこれでできたのが前田さんのSHOWROOMです。(実際は彼の幼少期の実体験から来ていますが。)

このように、メモによって脳を活性化し行動にまでつなげるというのがこの『メモの魔力』であり、前田裕二です。
やはりビッグになる人はしっかり行動をしているというわけですね。

結論として『メモの魔力』はとても合理的だと思いました。
前田さんは、柔軟性や人間性などの観点から紙ベースでのメモを推奨していましたが、私はしっかり行動にまで繋げて完結させられるならスマートフォンのメモ機能でも良いと思いました。その辺りは個人の好みですね。


ぜひ皆さんも読んでみてください。

『メモの魔力』 著 前田裕二 幻冬舎

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