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クオリティの高い人は秘かに“3つの書”を磨き上げている

 こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。

新時代を生き抜くためのシン・フリーランス論、今回はプロフェッショナルの「スピード」と「質」に関するお話です。

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■基準力・手順力・対応力の差

 プロフェッショナルと非プロフェッショナルの差はどこにあるのか。知識や経験、技術などが反射的に思い浮かびますが、それらを踏まえて以下の3つがポイントではないかと思います。すなわち、

(1)基準が違う
(2)手順が違う
(3)対応が違う

ある分野のプロフェッショナルは、そうではない人とは違う基準を持っています。そして、どこから始め、どう進め、どう終わらせるのかという、手順を確立しています。そして、経験から無数のパターンを認識し、最適な対応を繰り返していきます。

つまり、自分のなかのプロフェッショナルを高めていきたければ、基準力、手順力、対応力という3つの力をつけていくことがヒントになります。

では、これらはどのように管理すればいいのでしょうか?

■フランチャイズ店の裏商品

 先に述べた3つの力を、知識として書き起こすとこうなります。

(1)基準書 = チェックリスト
(2)手順書 = レシピ
(3)対応書 = マニュアル

1つ以上の項目に対し、内容を満たせば(満たさなければ)一定水準以上の質が担保されることを保証するものが「チェックリスト(基準書)」です。

「レシピ(手順書)」は、どの順番でどのように行えば、質の確保と再現ができるのかを説いたものであり、「マニュアル(対応書)」は期待される結果になるように、個別の事象への対処方法を示したものです。

実際にはマニュアルのなかにチェックリストとレシピが含まれたり、チェックリストの一部がマニュアルを参照したり、レシピ内にチェックリストがあったりと、入れ子構造になっていることも珍しくありません。

しかし、基本的にはこの「3つの書」でクオリティは管理されます。スタッフの技術と経験に依存しない運営を実現しなければならないチェーン店などでは、業務に関する「チェックリスト」「レシピ」「マニュアル」それ自体が資産であり、企業秘密になっているとも言えます。

■記憶や経験だけに頼らない

 多くのアルバイトやパートを雇うことのない、身一つのフリーランスにおいても、「3つの書」がクオリティ・マネジメントに効果的であることは変わりません。

むしろ「3つの書」を意識的に持ち、日々磨き上げていくことこそが、大きな差を生み出す要因にもなります。経験は確かに重要ですが、そこに向上心と繰り返す行動を常に新鮮にする問いかけがなければ、成長は想像以上に早く鈍化し、止まるものです。

マニュアルだの、チェックリストだの言うと、仕事から感性が削ぎ落とされる、仕事がつまらない作業になる、といった反論をする人があります。けれど誤解です。感性や創造性をむしろ発揮するために、つまり、効率化できないものに力を注ぐためにこそ、一定以上のクオリティ担保を約束する「3つの書」は活用されるべきだと思っています。

習得した一つの技術や知識だけで、生涯食べていける時代ではなくなりました。専門性を深めるだけでなく、分野を横断し、領域を拡大し、さらに付加価値を創造する必要性が高まっています。

そのためにも、アウトプットの質とスピードを同時に高める「3つの書」の作成とアップデートは肝要です。

■クリエイティブをルーティンに

 ぼくは自分のことをクリエイターだとは思いますが、アーティストだとは思っていません。どちらも厳密に定義しているわけではありませんが、感覚的に、アーティストの方がアウトプット内の「感性」の比率が高い印象があります。

他方、クリエイターにとっても「感性」は重要なキーワードには違いありませんが、同時にビジネスパーソンとして「再現性」も求められます。ゆえにアウトプット内での(扱いが難しい)「感性」が占める割合は必然的に下がり、その穴を技術と論理が埋めることになります。

前述の「3つの書」を用意できると、クリエイティブを良い意味でルーティン化できるようになっていきます。同時に、人に教える、人に頼ることも可能にもなります。

そして繰り返しになりますが、最低限のクオリティを担保できる保障と自信が余裕とゆとりを生み、さらなる向上(爆発)を求めてクリエイティビティの発揮に時間と労力をかける手助けをしてくれるのです。

■“3つの書”を鍛え上げるために学ぶ

 本や人から学んだり、経験から教訓を得たり、新たなアイデアが出たときにも、ふつうは一定期間経つと自分からふっと抜けて忘れてしまったりするものですが、「3つの書」を用意していれば、それらを都度バージョンアップしていくことができます。

ぼくにしても、自分の専門分野に関する本を読んだり、他分野から気づきがあったときには、それを「3つの書」に組み込めないかと考えて、どんどん変更を反映させていっています。

その小さな蓄積がスピードを高めながらも、質も高めてくれていると信じています。

ぜひあなたも基準書(チェックリスト)、手順書(レシピ)、対応書(マニュアル)の「3つの書」を意識的に用意してみて、クオリティとスピードがどう高まるのか実験してみてはいかがでしょうか?

■まとめ

・プロフェッショナルは「基準が違う」
・プロフェッショナルは「手順が違う」
・プロフェッショナルは「対応が違う」
・基準書、手順書、対応書を作って育てる
・「3つの書」はクリエイティビティを阻害しない
・「3つの書」はクリエイティビティを発揮させる
・スピードを早めつつクオリティを高める

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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「サバイバル・スター」の解説は、こちらをご覧ください。

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