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思春期真っ只中 #7
ボスの家では、
散髪は家族揃って庭で行う。
だから皆んな前髪がバッサリ揃っている。
散髪してあげるからいらっしゃいと
僕も声を掛けられたのだけど
それにだけは、かなり抵抗があった。
別に仕事の往復だけで
誰も見てはいないのだけど
そこは、僕の最後の砦の様な気がして
絶対に譲れなかった。
そう、僕は思春期真っ只中だった。
だから次の週末に
街の床屋さんに行ってみる事にした。
街の床屋さんは、
将来何になりたいの? #6
YUTAという名前は
ここでは覚えやすい名前で
アメリカのユタ州を連想するらしく
自然に僕の名前もユウタでなく
ユタになっていて
街のショッピングセンターに行けば
伝言掲示板にボスの奥さんやミックの奥さんが
もしユタが街に居るなら何時にここで拾うわよ。
なんてメッセージが貼られていて
お陰で大量の買い物をしても
この頃には歩いて帰る心配はなくなっていた。
僕がいつも買うのは、
お米(ボソボソし
郷に入っては郷に従え #5
大学生もこの街を去り
僕の家の食糧も底をついてきたので
久しぶりに一人歩いて街へ出てみることに。
この日は、以前ウェインと
ホームセンターで買った短パンにビーサン
オーストラリアと文字の入った
サーフブランドのパーカーを着て出かけた。
家から街までの道は、ただの一本道で
左手には数軒の牧場がずっと広がっている
ただ、あまりにも広すぎて何を飼っているのか
オーナーは誰なのかも良くわからない。
デニムにトレーナー #3
競馬場の解体の仕事は、
変わらず土に埋まった
何百本の木の杭を抜く作業。
木の杭にチェーンを引っ掛け
車で引っ張り抜いた後に
それを二人で持ち上げて
車の荷台に積んでいく作業を1日中。
その木の杭は、週末にチェーンソーで切り
暖炉用の木として持ち帰ります。
暖炉は本当に暖かく
眺めていると時間が経つのを忘れてしまい
僕の一番の癒しとなっていました。
ある日、仕事を終え
いつもの様にボスの家へ