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夏目漱石の言葉を読む

"自分に誠実でないものは、決して他人に誠実であり得ない"

夏目漱石の名言ですが、この数珠繋ぎとなった言葉の表装だけをなぞると、響きはいいですけど、これはエゴイスティックに生きることに対する自己肯定に他ならない、言わば大義名分です。

自分に誠実であるとは、自分本位に生きることなのです。
その誠実さを持って人間は他人を容赦なく傷つけるのです。
都合よく解釈をしてはならない名言です。字面通りに読む人間は無意識のうちに他人を踏み躙ります。

"他人に誠実でないものは、決して自分に誠実であり得ない"

私をして言わしむれば、こちらの視座の方が人間としてまともな思考なのだと考えます。
他人の名言に寄りかかることほど危険な行為はありません。

他人の言葉を素直に受け取ることは結構なことですが、受け取る前に自身でよく解釈しなければ消極的な生き方になるでしょうね。

おそらく漱石は誠実とは何かを自身の視座からよく考えた上で、あのような言葉を残したと思います。

私たちは鵜呑みにしてはなりません。

ビールのように喉越しの良い名言ほど本質を疑う必要があります。

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