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コーヒー事典

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コーヒーが好きすぎて「コーヒーの教科書」を作ってしまいました。 豆知識からかなりニッチな内容まで、奥深いコーヒーの世界を味わってください。 不定期更新です。
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#珈琲

コーヒー事典vol.14 「コーヒーの銘柄」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆の銘柄についてのお話です。 コーヒー豆の商品名がカタカナばかりで難しく感じたことはありませんか?これらを読み解くことで、コーヒー選びがもっと楽しくなりますよ! コーヒーの味わいは産地で変わるまず、珈琲店やスーパーで購入できるコーヒー豆はほとんどがアラビカ種という種類です。香りや酸味の成分が多く、焙煎度合いによって苦味や甘味などいろんな味わいを引き出せます。 そんなアラビカ種にはブルボンなど様々な品種があります

コーヒー事典vol.13 「コーヒー粉の挽き目」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒーの粒度についてのお話です。 挽き目の違いを知ることでドリップが安定するのはもちろん、味わいのバリエーションが広がりますよ! コーヒー豆を挽くのはなぜ?コーヒーを淹れる時、当たり前のようにコーヒー豆を粉に挽いていますが、そもそもなぜ挽いているのでしょうか。 その答えは、コーヒーの成分を抽出しやすくするためです。 味わいの素となるコーヒーの成分は水に触れている部分から抽出されるんですが、豆のままだとかなり時間がかか

コーヒー事典vol.12 「コーヒー豆の選別」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は選別についてのお話です。 あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、美味しいコーヒーのためには欠かせない作業なんですよ。 コーヒーの選別とは簡単に言うと "コーヒー豆の検品" です。 コーヒー豆は植物の種なので、収穫エリアや品種、どれくらい熟しているかによってサイズはバラバラ。収穫の時に木の枝が混ざってしまったり…なんてこともあります。 それをひとまとめにすると美味しい味わいからは遠ざかってしまいますし、コーヒー豆の商品

コーヒー事典vol.11 「ハニープロセス」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は 前回 に引き続き、精選方式についてのお話です。 専門店で見かけることが増えてきた「ハニー」と名の付くコーヒーについて、なるべく分かりやすく解説していきます。コーヒーを勉強中の方にぜひ読んでいただきたいです。 発祥のきっかけは ”革命” ハニープロセスの発祥は2000年代のコスタリカ。 当時のコスタリカでは、いろんな農園のコーヒーチェリーを大規模な作業場で精選し、ひとまとめにして輸出するのが一般的でした。 どれだけ良い

コーヒー事典vol.9 「水出しコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は水出しコーヒーについてのお話です。 発祥はインドネシア水出しコーヒーの発祥は近代のインドネシア。 コーヒー生産国であるインドネシアでは、ロブスタ種という病気や気候の変化に強いコーヒー豆を主に栽培しています。 とても強い苦味とクセのある味が特徴で、日本では缶コーヒーやブレンドコーヒーの原材料などに使われています。 そんなロブスタ種、ストレートコーヒーとして飲むには少し難しいんですが…どうにか美味しく飲むために発明された

コーヒー事典vol.8 「スペシャルティコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はスペシャルティコーヒーについてのお話です。 カフェや販売店で見かけることも多いスペシャルティコーヒー。何がどうスペシャルなのか、ぜひ知っていただければと思います。 コーヒー豆には等級があるコーヒー豆には生産国で格付けされた等級と、国際的なコーヒー協会によって格付けされた等級があります。 生産国での等級はコーヒー豆を買うときの参考になります。しかし国によって格付けの基準が違うので、A国とB国の最上級コーヒーを比べると品質

コーヒー事典vol.7 「インスタントコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はインスタントコーヒーについてのお話です。 いつでも簡単に淹れられるインスタントコーヒー、実は種類が2つあるんです。あなたが普段飲んでいるのはどちらでしょうか? インスタントコーヒーを発明したのは日本人!インスタントコーヒーの歴史は意外と古く、日本が江戸時代の頃には海外で研究が始められていました。しかしあまり美味しくなく、日持ちもしなかったそうです。 そんな中、1901年にニューヨークで開かれた博覧会で、アメリカ在住の日

コーヒー事典vol.6 「コーヒー豆が届くまで」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆について、農作物の観点からお話しします。 日本にはたくさんのコーヒー販売店・焙煎所がありますが、コーヒーの生豆はほぼすべて外国産です。そんな生豆が日本に届くまでの長い旅を知っていただければと思います。 コーヒー豆は ”果実の種” まず、コーヒー豆とはアカネ科コフィア属の ”コーヒーノキ” という植物の種です。コーヒー "豆" と呼んでいますが、いんげん豆や落花生のように実るわけではありません。 3年以上かけて

コーヒー事典vol.5 「コーヒー豆の保管」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆の保管についてのお話です。 せっかく買ったコーヒー豆、いつまでも美味しく楽しみたいですよね。 そのためにも正しい保管方法を知っていただきたいです。 コーヒー豆は劣化する”コーヒー豆は生鮮食品”という考え方もあるほど、コーヒーは鮮度が命。 鮮度が落ちると味わいがどんどん悪化します。 コーヒーが劣化する原因は4つ。 1つ目は空気。酸素によってコーヒー豆が酸化してしまいます。 2つ目は気温。暑さで味わいが変わって

コーヒー事典vol.4 「カフェインレスコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はカフェインレスコーヒーについてのお話です。 年々人気が高まっているカフェインレスコーヒー。ですが、ちょっと誤解されていることも多いので、改めてカフェインレスコーヒーについて知っていただければ嬉しいです。 カフェインレスコーヒーとは直訳すると”カフェインの少ないコーヒー”。 カフェインを除去したコーヒーのことで、デカフェとも呼ばれます。 日本ではカフェインを90%以上除去したものに”カフェインレス”と名付けることができま

コーヒー事典vol.3 「コーヒーの抽出方法」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒーの抽出方法についてのお話です。 抽出の仕組みが分かると、コーヒーをもっと美味しく淹れることができますよ! コーヒーが抽出される仕組み理科の授業のような話になってしまいますが… コーヒー豆の中には苦味の成分、酸味の成分、コクの成分、など色々な成分が含まれています。カフェインもそうですね。 これらは水に触れるとコーヒー豆の中からどんどん染み出てきます。これが抽出の原理です。 良い豆や良い水を使うと美味しいコーヒー

コーヒー事典vol.2 「コーヒーの焙煎度合」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆の焙煎度合についてのお話です。 浅煎り、深煎り、とひとくちに言ってもその味わいはさまざま。焙煎度合の違いを知ることで、コーヒーの世界がもっと広がります。 コーヒーの味わいは焙煎次第まず、コーヒー豆はアカネ科コフィア属の”コーヒーノキ”という植物の種です。 コーヒーチェリーと呼ばれる果実から種を取り出す精選工程を経て、生豆(なままめ/きまめ)と呼ばれるようになります。 品種や精選方法によりますが、緑っぽいベー

コーヒー事典vol.1 「ブレンドコーヒーとストレートコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はブレンド・ストレートについてのお話です。 何気なく飲んでいるブレンドコーヒー、実はプロの努力の結晶なんですよ。 ストレートコーヒーとは直訳すると”そのままのコーヒー”、何とも混ぜ合わせていないコーヒーのことを指します。 「コロンビア」「ブラジル」「キリマンジャロ」のように、生産地や銘柄がそのまま商品名になります。 ストレートコーヒーの良い点は ・豆の個性そのものが楽しめる 悪い点は ・収穫シーズンや、その年度の出来栄え

コーヒー事典vol.0 珈琲をもっと深く知りたいあなたへ

こんにちは、イトウコーヒー本店です。 普段は店頭やコーヒー教室などで”気軽に楽しく”をモットーにコーヒーの魅力をお伝えしていますが、このnoteマガジンではいくつかの文献を参考に”より深く”コーヒーの知識をお伝えしていきます。 というのもここ数年、店頭ではコーヒーについて質問されることが増えました。それも一般的な質問からかなり踏み込んだ内容まで様々。 正直、とても嬉しいです。 どんなきっかけでもいいんです。ただコーヒーを飲むだけじゃなくて、コーヒーを知りたいと思ってもらえ