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コーヒー事典vol.2 「コーヒーの焙煎度合」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒー豆の焙煎度合についてのお話です。
浅煎り、深煎り、とひとくちに言ってもその味わいはさまざま。焙煎度合の違いを知ることで、コーヒーの世界がもっと広がります。



コーヒーの味わいは焙煎次第

まず、コーヒー豆はアカネ科コフィア属の”コーヒーノキ”という植物の種です。
コーヒーチェリーと呼ばれる果実から種を取り出す精選工程を経て、生豆(なままめ/きまめ)と呼ばれるようになります。

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品種や精選方法によりますが、緑っぽいベージュ〜黄っぽい薄茶色をしています。消しゴムを固くしたような触り心地で、コーヒーらしい香りと味は全くありません
焙煎することでコーヒーの味わいが出てくるので、焙煎の良し悪しが味の決め手と言えます。どれだけ品質の良い生豆を使っても、その豆に合った焙煎度合でないと美味しいコーヒーに仕上がりません。



焙煎度合は8段階

焙煎中の音と豆の色を目安に、焙煎度合は8段階に区分されます。
生豆が焙煎中にパチパチと音を立てて弾けることをハゼ(豆が爆ぜるの意)といい、1回目を1ハゼ、2回目を2ハゼと呼びます。これは焙煎度合の大きな指標になります。
豆の色は専用の機械で数値化されることがあり、これをL値といいますが、コーヒーショップでこの値を表記することはほぼありません。

以下、コロンビアの豆を見本写真として載せますが、豆の種類が違うと色味が違って見えるので、あくまで参考程度にご覧ください。


ライトロースト

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かなりの浅煎り。黄色みがかった茶色。1ハゼが始まる前で、豆質は固いです。強い酸味があり生豆の青臭さが残っているので、コーヒーらしい味はしません。現在はほとんど流通していません。

シナモンロースト

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浅煎り。その名の通りシナモンのような薄茶色。1ハゼが進んだ頃合いで、豆質はやや固め。コーヒーらしい香りが出始めますが酸味が多く、苦味はほとんど感じられません。流通は少ないです。

ミディアムロースト

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深めの浅煎り。明るい茶色。1ハゼが終わった頃合い。酸味とともに、ほんのりと苦味も感じられます。流通している浅煎りのコーヒーはこのあたりが多く、アメリカンコーヒーに最適です。

ハイロースト

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中煎り。暗い茶色。1ハゼと2ハゼの中間くらい。酸味と苦味のバランスが取れていて、焙煎によるコクが表れてきます。広く流通している焙煎度合です。

シティロースト

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深めの中煎り。明るいチョコレート色。2ハゼが始まった頃合い。程良い酸味がありながら、苦味やコクも感じられます。こちらも広く流通しています。

フルシティロースト

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中深煎り。こげ茶色で、2ハゼが進んだ頃合い。コーヒーの油分が豆の表面にほんのり現れます。酸味は少なく、苦味とコクが強く感じられます。こちらも広く流通しています。

フレンチロースト

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深煎り。ダークチョコレートのような色で、2ハゼが終わる頃合い。コーヒーの油分が全体的に表れます。酸味はわずかに残りますが、苦味とコクがかなり強くなります。エスプレッソやアイスコーヒーにもよく使われています。

イタリアンロースト

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かなりの深煎り。ほぼ黒に近い茶色で、コーヒーの油分によって豆全体にテカリがあります。2ハゼが終わり、焦げる手前まで焙煎しているので酸味はほとんど感じられません。苦味がとても強く、焙煎による香ばしさがあります。エスプレッソやアイスコーヒーにも使われています。


以上8段階の焙煎度合は正確に区分されているわけではないので、ロースターによって線引きが違うことがあります。同じシティローストでもA店よりB店の方が苦く感じる、なんてこともあり得ます。

《余談ですが…》
アメリカンコーヒーとは浅煎り豆で淹れた軽いテイストのコーヒーのこと。お湯で薄めたコーヒーではありません
深煎りコーヒーが主流だった昭和の日本に、浅煎りコーヒーの文化がアメリカから伝わったことが由来で、苦味が少ないので薄いと誤解されたまま広まってしまったそうです。



まとめ

焙煎度合は大きく分けると浅煎り、中煎り、深煎り。さらに分けると8段階のローストとなります。
ですが店舗によって細かな調整がなされているので、同じ豆でも味わいはさまざま。
焙煎度合が少し違うと味わいは変わるので、ただ焙煎すればいい、というわけにはいきません。これを見極めて味を引き出すのが焙煎士。まさに職人技です。

焙煎度合の違いが分かると、ショップやカフェでコーヒー豆を買う時の判断材料となるので、あなた好みのコーヒーにより出会いやすくなりますよ。
ぜひ、お気に入りのコーヒーを見つけてくださいね。




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