コーヒー事典vol.3 「コーヒーの抽出方法」
こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はコーヒーの抽出方法についてのお話です。
抽出の仕組みが分かると、コーヒーをもっと美味しく淹れることができますよ!
コーヒーが抽出される仕組み
理科の授業のような話になってしまいますが…
コーヒー豆の中には苦味の成分、酸味の成分、コクの成分、など色々な成分が含まれています。カフェインもそうですね。
これらは水に触れるとコーヒー豆の中からどんどん染み出てきます。これが抽出の原理です。
良い豆や良い水を使うと美味しいコーヒーができるのはもちろんですが、その他に味わいを決める大事な条件は4つ。
1つ目は、湯の温度。
湯が熱いほどコーヒーの成分が出やすくなります。
2つ目は、コーヒー粉の粒度。
粉が細かいほど水分に触れる面積が増える(水分がよく染みわたる)ので、コーヒーの成分が出やすくなります。
3つ目は、コーヒーを淹れる時間、もといコーヒー粉が湯に触れている時間。
時間が長いほど成分が出やすくなります。
4つ目は、コーヒー粉の量。
粉の量が多いほどコーヒー成分の濃度が高くなり、コーヒーの味が濃くなります。
また、酸味の成分はすぐに抽出されますが、苦味の成分は温度・粒度の影響を受けやすく、時間をかけすぎると渋味が一緒に出てきます。
つまり、ぬるい湯を使って短時間で淹れると酸味の強いさっぱりしたコーヒーになってしまうし、熱湯ですごく時間をかけて淹れるとどっしり苦くて渋いコーヒーになってしまう、というわけです。
これらをもとに、世界中でいろんな抽出方法と器具が発明されました。
ここでは代表的なものをご紹介していきます。
抽出方法①透過法
コーヒー粉に湯を注いで濾す方法で、日本ではハンドドリップ、海外ではポアオーバー(pour over)と呼ばれています。
湯の温度、粉の粒度、湯の注ぎ方を変えることで味わいの変化をつけやすい方法です。逆に言えばムラが出やすいので、淹れる人の腕前がそのまま反映されます。
起毛のある布(フランネル)で作られたネルフィルターを使うと、とろっとした舌触りのまろやかなコーヒーに仕上がります。
布は繰り返し使えますが、煮沸消毒をしたり水につけて保管したりと手入れが少し面倒です。
細かい穴が無数に空いた金属製のステンレスフィルターを使うと、コーヒー成分・油分がしっかり抽出され、豆の持つ味がダイレクトに楽しめます。
コーヒーの細かい粉(微粉)によってコーヒーが少し濁ることがあり、器具をしっかり洗わないと穴が詰まってドリップしづらくなってしまいます。
ペーパーフィルターを使うとすっきりした口当たりのコーヒーに仕上がりやすいですが、ドリッパーの形状によって味わいが大きく変わります。
代表的なドリッパーは
・メリタ 台形1つ穴「メリタ式」
・カリタ 台形3つ穴「カリタ式」
・カリタ 円錐台形3つ穴「ウェーブシリーズ」
・ハリオ 円錐形1つ穴「V60シリーズ」
が挙げられます。
他にもたくさんありますが、書ききれなかったので別記事(鋭意作成中…)にまとめます。
また、ペーパーフィルターの質もコーヒーに影響を与えます。
白色は漂白紙で、安価なものほど薬品のにおいがすることが多いです。茶色は無漂白なので、どうしても木材のにおいがします。
どちらが良いとは一概に言えないので、お好みで選んでください。
湿気とにおいを吸いやすいので、開封後はしっかり保管してくださいね。
抽出方法②浸漬法
コーヒー粉を湯に浸して数分置いてから濾す方法です。
抽出ムラがほとんどなく、湯の温度、粉の粒度、湯の量をちゃんと計ることでいつでも味が安定します。
代表的な器具はフレンチプレス。お茶を淹れる急須のような仕組みの器具です。これを応用したエアロプレスという器具もあります。
喫茶店で見かけることが多いサイフォンもこの抽出方法に分類されます。
抽出方法③加圧法
圧力を利用してコーヒーを抽出する方法です。
他の方法では決して出せない、コーヒーの味が凝縮された液が抽出できます。
エスプレッソとしてそのまま飲んだり、ミルクと合わせてカフェラテにしたり、飲み方のアレンジが幅広いです。
電動のエスプレッソマシンや火にかけて抽出するマキネッタなど、専用の器具が必要です。
まとめ
毎日同じ豆でコーヒーを淹れているのに、味わいに差が出るのは淹れ方にムラができてしまっているから。
湯の温度や抽出時間をちゃんと計ると、いつでもあなた好みのコーヒーを淹れることができます。少し面倒ですが、美味しいコーヒーのためには大切なひと手間。
ハンドドリップも、フレンチプレスも、サイフォンも、エスプレッソもそれぞれに良さや楽しみ方があるので、ぜひいろいろな淹れ方を試していただきたいです。
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