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コーヒー事典vol.12 「コーヒー豆の選別」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は選別についてのお話です。
あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、美味しいコーヒーのためには欠かせない作業なんですよ。



コーヒーの選別とは

簡単に言うと "コーヒー豆の検品" です。
コーヒー豆は植物の種なので、収穫エリアや品種、どれくらい熟しているかによってサイズはバラバラ。収穫の時に木の枝が混ざってしまったり…なんてこともあります。
それをひとまとめにすると美味しい味わいからは遠ざかってしまいますし、コーヒー豆の商品価値も下がってしまうので、出荷の前に必ず行っています。

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選別前のコーヒー生豆はこんな感じです。
よく見ると、粒が小さいものや色が違うものが混ざっていますね。



コーヒー豆の選別方法

なるべく高品質な生豆を出荷するために、いろいろな選別手段を使って欠点豆と呼ばれる傷んだ豆や異物を取り除いています。

・風力選別
強風を当てて、枯れ葉や糸くずなど、生豆より軽い異物を飛ばして取り除きます。

・スクリーン選別
生豆をふるい(スクリーン)にかけて小さすぎる豆や異物を取り除き、生豆を粒の大きさごとに仕分けます。仕分けた生豆は「グレードA」「グレードB」などと等級がつけられます。

・比重選別
水槽や機械を使って、中身の詰まっていない軽い豆や異物を取り除きます。

・電子選別
色を見分ける機械で欠点豆や小石などの異物を取り除きます。

・ハンドピック
人の手で選別する方法。欠点豆や異物を取り除きます。
生産地だけでなく、焙煎所や販売店でも行われます。

≪こぼれ話≫
生産国にとってコーヒー豆は輸出品。良いものを出荷するために選別は欠かせませんが、だからといって捨てるのはもったいないですよね。
なので選別の際にはじかれてしまったコーヒー豆は、果肉でジュースを作ったり、家庭用のコーヒー商品になったり、堆肥にしたり、なるべく捨てられずに生産国内で使われています。



欠点豆が混ざっていると…

欠点豆とは傷んだ豆の総称なんですが、
発酵豆(ベージュ色や灰色。腐敗臭や悪い後味の原因)
カビ豆(斑点がある。カビ臭や悪い後味の原因)
虫食い豆(穴が開いている。味が落ち、コーヒー液が濁る原因)
未成熟豆(見分けづらい。不快な酸味や青臭さの原因)
など、コーヒーの味を悪くするものばかり。
どれだけ高価なコーヒー豆でも、上手な焙煎であっても、欠点豆が混ざっていると味に違和感が出てしまいます。

小石や枝などの異物はすぐに見分けがつきますが、欠点豆を取り除くには生豆をじっくり見ないといけません。
手間と時間はかかりますが、美味しいコーヒーのためには欠かせないので、コーヒー専門店や自家焙煎をする人にとってハンドピックは必須といえます。



まとめ

選別とはコーヒーの検品作業のこと。
小石や枯れ枝や欠点豆を手間を惜しまずにしっかり取り除くことで、私たちはコーヒーを安心して美味しく楽しむことができています。

日本のコーヒー店で販売されているコーヒー豆は、粒のそろったきれいなものがほとんど。
機会があればコーヒー豆を眺めてみてください。生産者さんたちの隠れた努力が見えてきますよ!



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