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コーヒー事典vol.11 「ハニープロセス」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は 前回 に引き続き、精選方式についてのお話です。
専門店で見かけることが増えてきた「ハニー」と名の付くコーヒーについて、なるべく分かりやすく解説していきます。コーヒーを勉強中の方にぜひ読んでいただきたいです。




発祥のきっかけは ”革命” 

ハニープロセスの発祥は2000年代のコスタリカ。
当時のコスタリカでは、いろんな農園のコーヒーチェリーを大規模な作業場で精選し、ひとまとめにして輸出するのが一般的でした。
どれだけ良いものを作っても収入があまり増えなかったので、とある生産者が「自分たちの小さな作業場を作って、良いコーヒーを売ろう!」と発起します。
この考えはマイクロミル革命と呼ばれ、瞬く間に国中に広まりました。
小さな作業場ができたことで、栽培だけでなく精選にこだわる生産者が増えました。ここで実験的な試みを繰り返し、編み出されたのがハニープロセスです。



ハニープロセスとは

コスタリカを中心に、中米で多く採用されている精選方式です。ナチュラルプロセスとウォッシュドプロセスの中間にあたるパルプドナチュラルに区分されます。

生豆断面

( コーヒーチェリーのイラスト )

まず、パルプドナチュラルとは、ウォッシュドでは洗い流してしまうミューシレージ(イラストの白っぽい部分)をわざと残して乾燥させ、後からパーチメント(イラストの緑の部分)と一緒にはがす方法のこと。
この方法をより細かく分類したのがハニープロセスで、ミューシレージをどれだけ残すかで名前が変わります

ホワイトハニー
ミューシレージをすべて除去します。
ウォッシュドに近い、すっきりとした味わいとなります。

イエローハニー
ミューシレージを約50%残します。
フルーティーでやさしいコクがありながら、すっきり感もあります。ウォッシュドとナチュラルの良いとこどりな味わいです。

レッドハニー
ミューシレージを約100%残します。
ナチュラルに近い、ジューシーで甘味のある味わいとなります。

ブラックハニー
糖度の高いコーヒーチェリーを使って、ミューシレージを約100%残します。これもナチュラルに近い製法です。
まるでシロップのような強い甘さとふくよかさ、ベリーのような果実感が特長です。


これらの名前の由来は、精選中の生豆の見た目から。

画像2

同じ「ハニー」と名の付くコーヒーですが、違いは一目瞭然ですね。


《こぼれ話》
ハニープロセスの区分には諸説あり、農園によって考え方が違うことがあります。
さらにハニープロセスは毎年改良されていて、最近ではゴールデンハニーというものがコスタリカの市場に並んだとか。
興味のある方は、毎年開催されるコスタリカの品評会をチェックしてみてはいかがでしょうか?



まとめ

ハニープロセスの発祥はコスタリカ。より良いコーヒーを作りたいという生産者の思いから生まれました。
4種類に区分され、それぞれに特長的な味わいがあります。
ハニープロセスならではの甘い味わいは日本でも大人気!コーヒーにはまっている方にはぜひ味わっていただきたい逸品です。

素敵なコーヒーライフを!



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