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コーヒー事典vol.1 「ブレンドコーヒーとストレートコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はブレンド・ストレートについてのお話です。
何気なく飲んでいるブレンドコーヒー、実はプロの努力の結晶なんですよ。



ストレートコーヒーとは

直訳すると”そのままのコーヒー”、何とも混ぜ合わせていないコーヒーのことを指します。
「コロンビア」「ブラジル」「キリマンジャロ」のように、生産地や銘柄がそのまま商品名になります。
ストレートコーヒーの良い点は
・豆の個性そのものが楽しめる
悪い点は
・収穫シーズンや、その年度の出来栄えで味に差がある
などが挙げられます。

《余談ですが…》
ストレートコーヒーはシングルオリジンとは違います
ストレートコーヒーは「◇◇国○○地方のみんなでつくったコーヒー」、シングルオリジンは「◇◇国○○地方の▲▲農園がつくったコーヒー」。
生産者のこだわりがより楽しめるのがシングルオリジンの良さですね。


ブレンドコーヒーとは

直訳すると”混ぜ合わせたコーヒー”、数種類のコーヒー豆を配合したものを指します。
「名古屋ブレンド」のように自由に名前をつけることができます。
ブレンドコーヒーの良い点は
・均一で安定した味を一年中作ることができる
・複雑な風味や独自の味わいを生み出すことができる
悪い点は
・作る際に手間がかかる
などが挙げられます。


ブレンドの配合方法は2パターン

1つ目はプレミックス。生豆の状態で配合してから焙煎する方法です。
作業工程がシンプルで焙煎コストを抑えられますが、種類の違う豆をすべて同時に焙煎するので焼きムラがある可能性があったり、味の表現に限界があります。

2つ目はアフターミックス。豆をそれぞれ焙煎した後に配合する方法です。
豆の個性を引き出したブレンドが作れるうえに味のバリエーションは無限ですが、焙煎コストがかかります。また焙煎した豆の保管庫や混ぜ合わせるための機械など、設備が必要です。

どちらも一長一短。上手く使い分けているお店も多いです。


ブレンドコーヒーが誕生するまで

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ブレンドコーヒーはただ混ぜ合わせるだけでは上手くいきません。
そこで大切なのが、コーヒー豆それぞれの味わいを把握すること。苦味だけでなく酸味のタイプ、香りや甘味、口に含んだ時から飲み込んだ後の余韻まで事前にしっかりと確認しておきます。コーヒーの個性を活かしたブレンドコーヒーを作るためには欠かせない作業です。
そうしてようやく、ブレンド工程に入ります。

まず、ベースとなる豆を選ぶ。
たくさんあるコーヒー豆からブレンドの主軸にしたいものを選びます。ここでは香りの強い豆Aを選んだとしましょう。
次は、加えたい要素を持つ豆を混ぜ合わせる。
飲みごたえが欲しいので苦味の強い豆Bを混ぜ合わせて、テイスティング。…どうも味にまとまりがないようです。
次に、味を調える役割の豆を加える。
マイルドな味わいの豆Cを加えて、さらにテイスティング。…豆Aの香りが目立たなくなってしまいました。
次は、混ぜ合わせる割合を変えたり、ほかの豆を加えてみたりと調整を重ねていきます。その都度テイスティング。…なんとか形になってきました!

その後、わざと冷ました状態のコーヒーを飲んだり、数日置いてからコーヒーを淹れて味の変化を確かめてみたりと調整を重ねに重ねて、ようやく完成。長い道のりです。

最後に商品名を付けます。
どんな商品名でもいいんですが、「ブルーマウンテンブレンド」「エメラルドマウンテンブレンド」といった特定の産地を強調したい場合は、その豆を生豆換算で30%以上配合しなければならないと定められています。
ちなみにリキッドコーヒーの場合は51%以上配合しなければなりません。

こうして店頭にブレンドコーヒーが並びます。
かなりの時間と熱意をかけて作り出すからこそ、”ブレンドコーヒーはお店の顔”と呼ばれています。



まとめ

ブレンドコーヒーとストレートコーヒー、違いは伝わったでしょうか?
ブレンドコーヒーはいつでも楽しめる製造者のこだわりの味。
ストレートコーヒーはその地域にしかない生産者のこだわりの味。
どちらのコーヒーも、私達のもとに届くまでにはたくさんの努力がなされています。その過程を知ることで、何気なく飲んでいるコーヒーがより味わい深いものになるのではないでしょうか。
それぞれのコーヒーの良さを感じてもらえると嬉しいです。





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