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組織力ってなんなんだ?-Part2

このnoteでは、アイコミのコンサルタントが日々のお客様との関係性の中で気づいたこと・学んだことを通して組織が変わるヒントを発信していきます。

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「組織としての力=組織力」を「浸透力」「展開力」「変革力」と定義し、意図して高める・育むことができる仕組みづくりを進めています、というお話を前回しました(内容を忘れてしまった、もう一度確認したい、という方は下部からご覧ください)。

今回は、その「力」をどのように捉えるか、についてお話したいと思います。

組織力の要素を分解する

組織(チームでも)は、人の集まりです。先に言ってしまいますが、この「人」が一つの「集まり」として力を発揮するためには、「仕組み」「理解・納得」「行動」の要素が必要だと私たちは考えています。高い能力を持った個人がチーム内にいて、素晴らしい個人プレーで点を取り勝利する、というのは「組織力」ではなく、個人の「能力」の話ですので、ちょっとここでは置いておいてください。

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皆さんは、ラグビーのスクラムを見たことがありますか?「なんかガタイのいい選手が集まって押し合っているやつでしょ?」「日本チームは体形・体重からして、圧倒的に不利だよね。力で負けるよ」いやいや、そんな簡単な話ではないのです。

集団の力を発揮させるための仕組み

スクラムには「構造(配置や組み方)」があります。相手チームと組み合ってプレーする際の「ルール(反則や禁止行為)」があります。こういった「仕組み」のもとに選手が一つの塊となります。2019ワールドカップ時の日本代表は、スクラムが非常に安定し強くなりました。これは筋力強化だけの話ではなく、数cmレベルでの足の位置取り、足の運び方、押す際の角度など、「8人の力を絶対に漏らさない」ための細部に亘る姿勢や陣形の緻密さが追求されました。この仕組みの秘密が流出しないよう、テレビ局の取材時に、下半身を撮影しないよう通達が出されたそうです。こうした「集団の力を発揮させるための仕組み」がどのように存在しているか、設計・整備されているかが、まず重要となります。

集団としての動きを支える、個々の「理解・納得」度

「日本チームの目指すスクラム」を理解し、「その実現のために何をすべきか」に納得できているか。この度合いによって、実際のプレーへの反映度が変わります。実際のプレーにおいて必要な動きをどれだけの精度でできるか、咄嗟の判断や対応が的確に取れるかは、一人ひとりが「なぜやるのか」「何のためにやるのか」を自分で解釈できているかどうかで決まります。2019日本代表は、ワールドカップ1ヵ月前の合宿を通じて、スクラムを組む上での「覚悟」が備わったそうです。この集団としての動きを支える、個々の「理解・納得」度が、次いで重要となります。

「ただやっている」というのと、「やるべきことをやっている」というのは全く違う

最後が「行動化」です。組織力として発揮されるということは、「行動」レベルで実行・実践されているということです。組織として企業活動を行っている以上、何の「行動」もない、ということはあり得ないでしょう。しかし「ただやっている」というのと、「やるべきことをやっている」というのは全く違います。
現ラグビー日本代表は、7月3日の欧州遠征最終戦でアイルランド代表と戦い、31-39で惜しくも敗れました。試合後のコメントでリーチマイケル主将は「やはり負けは残念です。いいプレーはできましたけれど、エクセキューション(戦略実行)が完全にできませんでした」、ジョセフヘッドコーチは「先週のライオンズ戦ではチャンスをつくっても遂行力が足りずトライを取りきれなかった。今日はチャンスをトライに結び付けられた」と語っています。結果を出せる「行動」がどれだけ取れているか、これが「行動化」です。

「浸透力」「展開力」「変革力」それぞれの力を、この「仕組み」「理解・納得」「行動化」の観点で分解し、力の継続性・信頼性・実行性を可視化します。次回は具体的なデータをもとに、この組織力の可視化からどう課題形成し、打ち手を明らかにしていくのかをご紹介します。


このnoteの投稿者:チーフコンサルタント/立石 裕美

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