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~第208回~ 氷川風土記 「蛍」

武蔵一宮氷川神社の隣にある「大宮公園」は、明治6年の太政官布達を受け、明治18年に「氷川公園」として開園した、埼玉で最も長い歴史を持つ県営公園です。

開園後、近郊から多くの人が来園し、中には日本を代表する文学者の姿もありました。
例えば正岡子規は明治24年秋、帝国大学(現・東京大学)国文科学年試験の勉強のため、大宮公園内の旅館・万松楼(ばんしょうろう)に10日間ほど滞在し、「松林の中にあって静かな涼しい処で意外と善い」と語っています。
さらにこの滞在期間中、友人の夏目漱石も呼び出しており、漱石は2日ほど万松楼に宿泊したそうです。

このほか、田山花袋も大宮公園を訪れています。
大正9年に発表した『東京近郊 一日の行楽』において、花袋も大宮公園を「静かな好い處(ところ)だ」と評しており、公園内の旅館では蛍を土産として渡していたことも書き残しています。

昔、大宮は蛍の名所として知られていました。
特に明治大正期の東京の人々にとって、大宮は蛍の名所として人気だったようで、花袋の記述からもその様子がうかがえます。
この蛍は、江戸時代には徳川家に、明治時代には宮中に献上されており、大宮の初夏を彩る恒例の行事となっていたそうです。
大宮の歴史に「蛍」は欠かせない存在です。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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