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~第198回~「浦安の心」

平成23年3月11日14時46分、世界でも未曽有の自然災害「東日本大震災」が発生しました。
10年後、武蔵一宮氷川神社では同日に「東日本大震災復興祈願演奏」として浦安の舞を奉納いたしました。

浦安の舞は、巫女によって舞う神楽舞(正式は四人舞)で、前半は扇舞、後半は鈴舞で構成され、昭和8年の歌会始にて昭和天皇が詠まれた御製『天地(あめつち)の 神にぞ祈る朝なぎの 海のごとくに 波たたぬ世を』が歌詞になっております。
戦争の色が濃くなる社会情勢に加え、関東大震災という大災害を目の当たりにされた昭和天皇が、災害のない世、戦争のない世へ、波風たたぬ平和な世になることを祈り詠まれた歌です。

この舞は皇紀2600年を祝し、昭和15年に奉祝の一貫として全国の神社で舞われました。
楽人を揃えるのが難しい地方神社等でも宮司の家族(宮司・歌、奥様・琴、息子・笛、娘・舞 など)でご奉仕が出来る様に作られております。
当時、皇紀2600年前夜、内務省通達により全国の神社で一斉に奉奏する事になり、全国拠点神社を会場に、宮内庁楽部・多忠朝楽長以下楽部の楽師が講習会を執り行いました。
また全国の国防婦人会の方々に浦安の舞装束の型紙を発送して、袴、千早等の装束も手縫いで調製されました。
武蔵一宮氷川神社は埼玉県の講習会場となり、県内の舞姫候補者が集まり研修会が開かれました。

本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」や「東日本大震災」、そして数多の天災に私たち日本人は対峙し、力を合わせて復興に向けて取り組んでいます。
浦安(心安)は大和国、日本国の美称でもあり、心安らぐ国、という意味もございます。
朝、海の波が鏡のように静かで穏やかなように、世の中も平和で争いのない世界になるようお祈り申し上げます。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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