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~第164回~「茅の話」

夏越の大祓での茅の輪くぐりは、スサノオノミコトの神話「蘇民将来」に由来する神道儀礼です。 武蔵一宮氷川神社では、地元、見沼の田んぼの中で茅を管理し、その田んぼから刈ってきて茅の輪を作ります。

刈った茅は約一週間ほど時間をかけて乾燥させ、茅で編んだ紐と竹、麦わらで中心の芯の部分を作り、その周りに乾かした茅を茅紐でしばり完成させます。
武蔵一宮氷川神社では、茅の輪を二つ作ります。 全国各地の多くの神社では茅の輪を参道の真ん中等に一つ設置しますが、武蔵一宮氷川神社では神橋の真ん中と、帰り道である下向道に二つ設けます。氷川神社の主祭神のスサノオノミコトは祓いの神であり、茅の輪神事の由来の神様ですから、それだけ念には念を入れて大祓を斎行します。さて、そのような茅。

古代から日本各地に生えていたため万葉集にも歌われており、「浅茅」と書かれております。

歌の中には大宰府で大伴旅人が詠んだ五首のひとつ「浅茅原(あさつばら) つばらつばらに もの思(も)へば 古(ふ)りにし里し、思ほゆるかも」とあります。

これは故郷(明日香)を懐かしむ歌で、「浅茅原」は「つばらつばら(しみじみ、の意味)」の枕詞。

茅は古代から現在まで日本人の生活に溶け込んでいる植物なのです。

自然と共に生きてきた日本人だからこそ、神事には自然の恵みを用いてきました。

そんな日本の美称は「豊葦原瑞穂国」。

稲をはじめ茅萱、真菰、茅、麦など多くの植物がいろいろな場所に実っていたのです。

しかし環境の変化により、茅の輪を作る茅や真菰の自生地が減りつつあります。

藁や麦藁も入手が難しくなりつつあります。

今後も自然と共に生きていくためにできることは何か…地域の皆様と共に考え、歩んでまいります。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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