廃れるべき文化は廃れるべき

 昨日のブログを読んでくださった方ありがとうございました。スキを20件もいただいて、三日坊主も頑張れそうです。

 今、自分が経営している会社は和装から着想を得たファッションブランドです。生地のほとんどは着物に用いられる生地を使用していて、日本の伝統的な産業を活気づけることを目的としています。

 皆様にとって着物を着るってどういうことでしょうか。冠婚葬祭で多くて年に一度着るか着ないか、着てもレンタル、自分の着物といえば浴衣が押し入れに入ってたかな...その程度だと思います

 海外の文化をふんだんに取り入れた現代の日本社会で着物を着ることってかなり困難になってきていますが、かつての日本人の普段着は着物でした。

 生活様式の変容に合わせてファッションも変化し、着物を普段に着るなんてもってのほか人材があふれていると思います。「それでも着物は日本の文化だから、日本人は着物を着るべき」というのは、かつて業績のよかった着物業界内部の都合のいい解釈だと思っています。

 ただ一方で着物業界が一矢報いるチャンスが今、来ていることも確かです。

そう感じる要因は大きく2つあって

1.販売チャネルの増加によって嗜好が多様化し、ファッションの選択肢が増えている

2.働き方が今後変わっていくにつれて在宅での勤務が増えていく

 自分はこの2つが着物業界再興のフックになると考えています。しかし、現代の生活習慣からいきなり着物へ遷移させるには、あまりにもユーザーに与えるショックが大きいので、洋服に合わせたデザインで着物に纏わるものを提案し、慣らしていく必要があると思っています。

 洋服は主に生地とデザインで季節を表しますが着物は生地、柄、着方など要素を細分化すれば訴求できる軸はたくさんあります。弊社ではその要素一つ一つを抽出してプロダクトに落とし込んでいるのです。

 今回の記事のタイトル「廃れるべき文化は廃れるべき」というのは一見すると強い言葉のように感じますが、「職人技」という言葉から皆様は何を感じますか?日本でいえば「残り数少ない技術を守っている人」「採算度外視で活動を続ける人」など、ある意味、伝説的な解釈を持っている人が多いかと思います。

 ただ本来、職人とはプロダクトを作り上げる人たちで所謂エンジニア的な方々です。その彼らの技術を現代に生かせるように最適化をかけていかなければ、それは仕事にはなりません。彼らが持っている技術と現代のニーズを掛け合わせてプロダクトを作り売り上げを作る。そして彼らの仕事をアップグレードして必要に応じて変えていく。これが文化や技術を最も長く維持させる方法です。伝統的な技術、千年前から変わらない何かしら...活字で見れば美しいですが現実問題として技術を守り抜くためには変わっていかなければなりません。

 ちょっと臭い本とかに書いてある「変わらなければいけない。僕たちが変わらないためにも」的なやつは割と的を得ていると思います。 

 日本の文化そのものがレトロスペクティブになっているので、弊社が作り上げたい社会を作り上げるには時間がかかります。それでも日本の伝統の文化と技術を用いて世界に誇れるファッションブランドを作り上げるということは非常に価値があり誇らしいことです。

 GUCCIのTシャツを着てドヤ顔でセンター街を歩くのもいいですが、いつか櫟木商店の提案するファッションでNYの5thAvenueを歩くことがカッコいいと思われる時代を作っていきたいと思っています。

 そのために皆様からご協力していただきたいことがたくさんあります。少しでも関心を持ってくださった方がいらっしゃれば、またこのブログを読んで感じたことでも何でも構いませんのでご連絡等いただけますと幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。三日坊主2日目終了です。

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