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カルフォニ村
2023年1月3日 17:24
寒い日だった。 重たい雲からは、雪がひらひらと降りはじめた。 体じゅうに弁当屋の油が染みこんだ頃、ぼくはアルバイト先をあとにした。年末の慌ただしさに逆らうようにして駅から駅へ、次の駅から次の駅へと乗り継いでいく。最後は単線の無人駅で、併設されている地蔵堂の屋根には雪が積もっていた。「お帰りなさい」 台所から妻の声が聞こえる。部屋は暖かい湯気に包まれている。「ただいま」とぼくが言うと、