見出し画像

一問一答?一人称?インタビュー記事形式の決め方をフローチャートにしてみた

インタビュー記事の形式って、皆さんはどうやって使い分けていますか?

人によって呼び方は違うかもしれませんが、インタビュー記事の形式は【一問一答】【一人称】【地の文+「」】の3パターンがあります。

私はインタビューが終わった後に編集者さんと相談して決めることが多いのですが、今ひとつ決定プロセスを論理的に把握できておらず、ずっとモヤモヤしていました。

そこで、私の考えるインタビュー記事形式の決め方をフローチャートにしてみました。本当は一つにまとめたかったのですが、そうバシッとはいかず……。

色々な観点から考えるものなのかなと思い、今回4つのパターンを作ってみました。

パターン1.読者に伝えたいことから決める

形式パターンのコピー

会話のキャッチーボールから生まれる面白さは、【一問一答】でしか表現できません。【地の文+「」】でも部分的には可能ですが、記事全体を通して表現するのは難しいように思います。

・流れるような会話の楽しさを共有したい
・対話による思考過程の面白さを見せたい

こういう時は【一問一答】がいいと思います。

会話のキャッチボールの面白さが最優先事項ではないと思ったら、「話し手の言葉」だけを伝えたいのか、それとも「話し手の言葉以外の情報(書き手の考察や社会背景など)」も伝えたいのかを考えます。

話し手の言葉を伝えるので十分な場合は、【一人称】が適切です。それ以外の情報も伝えたい場合は、無理に一人称で話し手に語らせることはできないので、【地の文+「」】にします。

パターン2.インタビューの印象から決める

形式パターンのコピー2

相手の中に一貫した強いメッセージがある、話し手の中に「伝えたい」気持ちが存分にあふれているインタビューの場合は、【一人称】を使うと話し手の生き生きとした感じを最も伝えられると思います。

話し手の中にそこまで強いメッセージ性が認められなかった時は、「話し手が自分をどう表現してほしがっているか」を考えます。

「発言内容を伝えてほしい」と思っている場合は、【一問一答】でシンプルに。そうでなく、「自分の雰囲気やオーラを伝えてほしい」と思っている場合は、【地の文+「」】を使えば、話の内容が薄かったとしてもオシャレにまとめることができます。

パターン3.執筆時間から決める

形式パターンのコピー3

【一問一答】のいいところは、すぐ書けることです。本当は他の形式で書きたいけれども、どうしても時間のない場合は私は【一問一答】で書きます。

【一人称】は、一問一答よりは時間がかかると思います。ずっと一人が話している形式になるので、読者を飽きさせないように話のつなぎ方やリズムを工夫する必要があるからです。

【地の文+「」】はさらに時間がかかります。「パターン1」でご説明した通り、相手が話したこと以外の情報も含める必要があるため、考察したり、周辺情報を調べたり、それを組み合わせたりする時間が必要になります。

パターン4.書き手のスキルから決める

形式パターンのコピー4

【一問一答】形式で書くのが簡単というわけではないのですが、【一問一答】は書き手にそれほどスキルがなくても、一応形にはなります。

【一人称】は「パターン3」でも話した通り、最後まで読んでもらうための工夫を文章全体に散りばめるスキルが必要です。

さらに難しいのは【地の文+「」】です。相手の話を聞くだけでなく、客観的な考察ができる必要があります。書き手の考察のない【地の文+「」】形式の文章は、なんだか薄っぺらで残念な感じになるので要注意です。

【地の文+「」】は書き手のセンスがもろに出てしまうのも特徴です。

形の決まっている【一問一答】や、話し手の言葉を書けばいい【一人称】と違って、【地の文+「」】は自由律俳句のようなものなので、迂闊には書けません。私も【地の文+「」】で書くときは相当緊張します。

【地の文+「」】形式で書くには、普段からルポ形式の文章を読んでいたり、テンポ感や言い回しを勉強しておく必要があると思います。

まとめ

「それで、どのパターンを使って決めればいいの?」という話なのですが、それはどの要素を優先したいかによると思います。

とにかく時間がないのであればパターン3にしたがって【一問一答】になるでしょうし、媒体として読者に伝えたいことが最初から決まっているのであればパターン1、とにかく話し手に寄り添うのであればパターン2、頼めるライターが限られているのであればパターン4、という形になると思います。

いつもなんとなく感覚で決めてしまっていた形式ですが、ようやく思考プロセスを整理できてかなりすっきりしました。

上記はあくまで私の個人的な考え方なので、読んでくださった方の意見も聞いてみたいなと思います。

<こちらもおすすめ>



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?