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外遊びが大切な理由…感覚統合のお話①〜ねんね期編〜

こんにちは、ichikoです。

環境 ×   教育
に関することを投稿しています。

小さい時は
外遊びが土台!
というお話を
いくつか投稿しました。

今回は外遊びで経験したい
感覚統合のお話①〜ねんね期編〜です。
(今回は外遊び前時期の記事になりますが、
感覚についての基礎となりますので
ご容赦ください🙇‍♀️)


発達と深く関わる感覚


感覚ってきくと
何を思い浮かべますか?

よく知られているのは
視覚
聴覚
触覚
嗅覚
味覚
「五感」
と言われるものですね。

私たちが日常で当たり前に使っているこの感覚たち。

実はこの感覚刺激を
私たちは、脳内で使いやすい形に処理して、
環境に対して適応的な意味のある反応を起こすことで
社会的な生活ができるようになります。

感覚ー脳ー運動
は切っても切れない関係なのです。

例えば
かぶとむしを見つけた!=視覚

捕まえよう=脳

よく見て腕を伸ばす=視覚、手や腕の筋肉

これらの一連の処理過程を
感覚統合といいます。

感覚統合に大切な3つの初期感覚

これらの感覚を
子どもたちがうまく使えるようになる
=感覚統合のためには
実は「初期感覚」
と呼ばれる3つの感覚を使った経験が
基礎となります。

前庭覚(ぜんていかく)
固有覚(こゆうかく)
そして、五感のひとつでもある
触覚が入った
3つです。


脳の3つの働き

私たち人間も動物です。
では動物と人間、何が違うのか?

それは脳の大脳皮質が
発達しているということです。

人間の脳には大きく分けて3つの働きがあります。
①命を健康に守り育てる→脳幹
生きるために不可欠な
呼吸、体温、睡眠、ホルモン分泌、反射を司るなど

②知る働きを統合する→大脳辺縁系(視床・視床下部)
視覚・聴覚・空間認知など末梢神経からの情報の統合、
情報の記憶と整理をする

③よりよく生きて行動する→大脳皮質
社会性、言語性、行動性、感情性、創造性などの
人間らしさに関わる

具体的に①〜③の働きを見てみましょう。

『熱々のフライパンを触ってしまった。』

①脳幹
「あっちぃ!」とすぐに手を引く=反射

②大脳辺縁系
これは触っては危険なんだと記憶する

③大脳皮質
触らないようにしようと考えて
フライパンの場所を変えたり、鍋つかみを使う。

③の行動ができるのは
大脳皮質が発達しているからです。

生まれてすぐの赤ちゃんは
まだ②大脳辺縁系や③大脳皮質が
未熟な状態です。

①脳幹をフル稼働させて
赤ちゃんは自分の命を守っています。

指を出したら吸い付く反射により
母乳やミルクを飲んでいる
吸啜反射などですね。

ここから赤ちゃんは
いろいろな経験をして
②大脳辺縁系③大脳皮質を作っていきます。

その時に必要となるのが
初期感覚をはじめとした
感覚刺激です。

ひとつずつ解説します。

①前庭覚

前庭覚は
耳の中にある小さな石(耳石器)や
三半規管などが感じる感覚です。
自分の身体のバランスを調整したりするのに
役立っています。

赤ちゃんの頃は
お母さんやお父さんに抱っこしてもらって
優しく揺さぶってもらったり
高い高いしてもらったり
自分で寝返りをしたりすることで
この感覚を刺激しています。


②固有覚

固有覚は
筋肉や関節が感じる感覚です。
重さを感じたり
力加減を調整したり
ボディイメージを作ったりするのに
役に立っています。

赤ちゃんの頃の固有覚といえば
重力です。
重力に負けないように
首を起こしたり
腰を起こしたり
手と膝で体重を支えてハイハイしたり
運動すべてが
固有覚を刺激しています。


③触覚

触覚は文字通り、
皮膚が
感じる感覚です。

赤ちゃんは最初、
触覚を頼りにいろいろなものを探索します。
目がちゃんと見えていないという
視力のこともありますが、
見えたものと脳が
繋がっていないと
視力があっても
見たものを認知できません。

赤ちゃんが手足を自由に
動かせるようになるにつれ
(感覚・認知の発達と運動の発達は
車の両輪のような関係です)
触れるもの、握れるが増え
口に入れるようになります。

触覚は手だけではなく、全身で感じています。
口の触覚でも確かめているのです。

触覚はものを識別するために
視覚以外で使うことのできる感覚です。
危険を察知するために大切な役割を果たしますが
危険を察知し過ぎてしまう=触覚防衛があると
ものを識別したり
触覚によって情緒を安定させたり
することが難しくなります。


ねんね期の赤ちゃんの感覚遊び

赤ちゃんがだんだん成長していくと
ガラガラなど音の出るおもちゃの
音を聴いて
笑ったり反応するようになります。

そして、音のする方を探そうとします。
そして姿勢を変えて
音の方を見ようとするようになります。

聴覚→運動→視覚
という順で
赤ちゃんが感覚を連鎖反応のように使って
発達しようとしているのですね。

ねんねの赤ちゃんの頃は
お家の中でも
自分の身体を使って
自分の身の回りのことで
たくさん初期感覚を経験できます。

だから
汚いから!と
何でもかんでも
口に入れるのを止めない方がよいです。

いろんな触覚の
安全なおもちゃを与えます。
音が鳴るものもよいですね。

たくさん抱っこして
前庭刺激を入れてあげます。
(揺さぶり過ぎはダメですよ)

スキンシップで肌から触覚を
たくさん感じさせてあげます。

動けるようになったら
なるべく制限なく
赤ちゃんが全身を使って
遊べるようにしましょう。

言葉や歌をたくさん
聴かせてあげます。

これらすべてが
感覚を刺激している
=発達に繋がっているんですね。

さぁ、いよいよ外で遊べるようになったら
どんな風に感覚を刺激して
発達を促していけばよいのでしょうか?


これについてはまた次回にしたいと思います。

お読みいただきありがとうございました!

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