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【日本語教師】ド新人教師が、半年で学生評価を20%上げた方法

日本語教師として働く中で、
私が一番精神的にしんどかったのが授業でした。

どうして、誰も話を聞いてくれないんだろう。
どうして、先輩のように教えられないんだろう。

いつしか、授業日になるのが怖くて
夜も眠れなくなる始末。

そんな授業に悩んでいた時期の
学生からのアンケートが残っていました。

書いてあるのは、
「眠い」「わからない」「改善が必要です」というコメント。
数値での5段階評価でも、「とても悪い」「悪い」を選んだ学生が過半数でした。

当時のネガティブまっしぐらの生活はこちら

しかし、それから半年後、学生評価は大きく変化しました。
「やさしい」「一番わかりやすい」
「面白い説明」「楽しい」「授業が一番良い」
学生満足度評価では、「悪い」を選ぶ学生はなくなり、
なんと20%以上も上がった約90%が満足という結果になりました👏

たった半年で、授業の何を変えたのか。
振り返って書いていきます☺


①マインドを変えた

授業が下手だ、とは自覚していました。
授業中に寝ていたり、
スマホを見ていたり、
そんな学生を見て、どんどん落ち込みました。

でも、落ち込まなくていい!!!👍👍👍

授業が改善された一番のカギは、
この「マインドを変えた」ことだと思います。

自分なんて、どうせ授業はできない。
ネガティブな感情が押し寄せ、学校へ行くことも嫌になっていました。
でも、こう意識的に考えるようになってから、
授業に前向きになりました。

当たり前のことですが、誰もが【練習期間】を経ています。
今ベテランの先生も、
活躍している先輩も、
慕われている先生も、
最初はきっと、苦労したでしょう😌

では、どうしたら早くそんな先生になれるのか。
それは、いかにその【練習期間】を早く多くこなすかだと思います。

最近話題の、アイドルオーディションと似ている気がします。
デビューして輝いているアイドルたち。
でも、その前には過酷な練習生という機関が存在します。

教師という、ある意味職人的な仕事も同じではないでしょうか。
上達するには、早くたくさん練習することのみなのです。
そして、その成長のために、今の失敗は必要不可欠!
「今のうちに失敗できてよかったー!」
「これで早く成長できるー!」
と思うことで、心が軽くなりますよ。

ちなみに、見取り図というコンビをご存じでしょうか。
朝の番組にも出演されている方々で、私は人気の芸人さんだと認識しています。
そのお二人の現在までの変遷をたどった動画が、
たまたまYouTubeを見ていて流れてきたので見てみました。
すると、東京で人気レギュラー番組があるコンビとは思えない、
くすぶっていた過去についてお話されていました。

「見取り図でも、新人時代からうまくいったわけじゃないし、
 私の授業がうまくなるまでに、時間がかかっても当然やな!」

そんな気持ちになって
(私と見取り図さんを比べるのもおこがましいですが)
ちょっと気が楽になりました(笑)
もしよかったら、下のリンクからご覧ください😄

マインドを変えた後、少しポジティブになった私は
先輩の先生の授業を見学したり、
教育学の本を読んだりして、
どのように授業を変えればよいのか考えました。

そして、それをまとめたのが次の3点です。

②話し方を変えた

話し方は、意外に大事なものです。
自分ではちゃんと話しているつもりでも、
こんなことになっていませんか?

・頻繁に目線や手が動いている(手持ち無沙汰で、プリントなどを触りながら話す)
・「えー」「あのー」などのフィラーが多い
・早口になっている

学生時代を思い返すと、
話しているときの先生の仕草が目に付くものでした。
先生が「えー」という数を数えていた方、いらっしゃいませんか?
私はしていました😅

やっぱり、
「はっきり」「体を固定して」「はきはきと」「ゆっくり」
話すことが大事なのです。

何か説明するときなど、これらのポイントを意識するようになってから
学生の反応が細かく読み取れるようになりました。
この、反応を読み取ることが授業改善を楽にしてくれます!
そして、きちんと学生を見ることで
「いつもうなずいて聞いてくれる」
「よく目が合う」
隠れた優しい学生も発見することができますよ☺
焦らず、堂々と!

③魅せ方を変えた

話し方を変え、しっかり正面から学生に向き合っていると
彼らの少しの反応にも気が付くようになります。

導入、練習など、
どの段階で学生の気がそれるのかに注意します。
よくあるのは、「時計を見る」ことです。
時計を見るのは、内容に集中していないからです。

では、どうすれば興味を持たせることができるのか。
できる限り多くの感覚にふれるように工夫して、「魅せ方」を変えます。

【視覚】
・イラストや写真を多めに使う
・カラフルにする
・大きすぎると思うぐらい大きい字にする

口頭だけでの説明は、なかなか伝わりません。
五感のうち、視覚は知覚するのは約8割といわれています👀
特に、新しいことを学んだりする場合、
様々なレベルの学生がいるため、視覚にうったえることが重要です。
後ろに座っている学生や、話をあまり聞いていなくても話題についていけるような、気を引くような面白いイラストを使うこともポイント。
学生にウケる写真をあえて使えば、クラス全体を巻き込むこともできます。

私は授業でスライドを使っていますが、
その際にはカラフルに作るようにしています。
そして、大き目の字で。
大きな字で困っている学生は見たことがありません。
反対に、小さい字であまり見えないことで、
メモを取ることもやめてしまう学生はよくいます。
スクリーンに投影したり、
黒板に貼り付けたりすると意外と小さくなります。
大きすぎるかな、派手すぎるかな
というデザインで丁度良いと思います。

【聴覚】
・音を使用する

例えば、方言の説明をする長文読解があったとします。
そのとき、私は日本各地の方言の音声を聞かせて、
聞き取れるか質問したりします👂️

気が抜けている学生が多くても、
ふと音が鳴ると注意が向くことはよくあります。
この話では音声が使えそうだな、というときには
音を聞かせることも手です。

【その他】
・こまめに話しかける
・クイズ(演習問題)をする

すべてに共通することとして、
学生との会話を大事にすることがあります。
いくら視覚や聴覚に情報を与えても、
一方的な授業には限界があります。

私も、自分の説明が長いときには
あからさまに学生の気がそれていました。
そうならないよう、こまめに話しかけます。
授業中、学生が話すことが大半になるような意識で、
教員が話し続けることをやめていきました。
それだけでも、積極的な学生が増えました。

教員向けではありませんが、
起業の研修講師向けの本にも使えるポイントが書かれていました。
そのおすすめ本はこちら!
(アフィリエイトではありません)


④接し方を変えた

学生への接し方も変えました。

授業が絶不調だった当時、
私は学生を怖がっていました。

「自分の悪口を言っているんじゃないか」
「主任の先生に、私の文句を言っているかも」
そんなことを考えていれば、
授業にネガティブになることは当然です。

接し方を変えるとは、
マインドを変えるとも似ている点があります。
それは、「学生に好かれなくてもいい」と考えを改めることです!

ただ、正直に接します。
学生からの質問に答えられなかったときは、
きちんと「次に説明する」などと伝え、誠実に対応します。
間違ったことがあれば、ごまかさずに話します。

「好かれる」ことを考えなくなったとき、
クラスコントロールもうまくいき始めました。
好かれようと、甘い評価をしたりしていれば、
教師と学生という関係がアンバランスになります。
もちろん、立場を利用した厳しすぎる対応は避けるべきですが、
何人もの人を相手にするクラスの場合、
(特に日本語学校では)
ある程度の関係性が必要です。

この先生は信頼できる。
そう思ってもらえるように接することが大事です☺


これで、学生からの評価が変わった

マインド、話し方、魅せ方、接し方を変えたことで、
私の授業は変わっていきました。

前を向いて話を聞いてくれる学生の数が急増し、
私自身の授業への恐怖心も消えました。

もちろん、それですべての授業が成功するわけではありません。
ですが、おかげで学生からの評価は良くなり、
「先生の授業が一番良い」というコメントまでいただきました😳
これは、最悪の評価から半年後の結果です。

教師が授業を楽しむことが、
学生の質の高い学びにも好循環を生むと思います。
悩める先生が少しでも、
授業を楽しみながらできますように!😊


教師が無理しない授業作りについてはこちら


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