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【もう辞めよう】日本語教師1年目で追い込まれたとき

憧れていた日本語教師になり、
3ヶ月。
当時大学4年生だった私は、
クラスの雰囲気を
コントロールできなくなっていました。

簡単だと思っていた授業が、
こんなにも難しいなんて!

でも、
新しいクラスになるから
一からがんばろう!

そう思っていました。


4か月~9か月

私が入ったのは、
学校内で一番成績が良いクラスでした。

日本語学校では一般的に、
一つのクラスを曜日ごとで
複数の教員が担当します。

高いレベルの
日本語能力試験を受けるからか、
そのクラスは
私以外ベテラン揃いでした。

そのクラスで、1ヶ月が経った頃。

私の授業中は、
半数が寝るか、
スマホを見るかしていました。

たとえば、
4択の問題集を印刷し、
学生たちに渡したとき。
時間内に解くように伝えましたが、
難易度が高く、様々な質問が出ました。

先生、どうして②はだめですか
①と③は何が違いますか

私は答えられませんでした。
知っている日本語なのに、
学生は真剣な目をしているのに。

心機一転がんばる!
そんな気持ちはどこへやら。

私は授業準備の仕方すら、
最初から
わかっていなかったのかもしれません。

「それは、調べて来週教えます」

何度かそう言いました。
それ以外、
言葉はできませんでした。

見る見るうちに
やる気をなくす学生たち。

先生なのにそんなことも知らないの
と、声が聞こえるようでした。

文法の導入でも、
今までにない失敗がありました。

一般的に、
学生は新しい文法を
直接教えることはありません。

学生の注意を引くような、
その文法が頭に入りやすくなるような
「導入」が必要となります。

私は、
その導入に苦労していました。

導入なんていらないだろう、
学生も大人なんだから、
口で説明すればわかってくれるはず。

そう思った私は、
ただシンプルに文法を伝えました。

こんなとき、こう使ってください。

と言った私に、
学生は困り顔で訴えました。

わかりません

何人も、
わかりません、
が続きました。
追加で説明を加えようと、
私は話を続けました。

今までにない学生の反応に、
頭は真っ白、、、

それは、○○と同じですか?
何が違いますか?

学生は、
理解しようと問いかけてきます。
しかし、説明ができません。

ついに、「わかりません」も
聞こえなくなりました。

休み時間の後、もう一度説明します

それだけ言って、
なんとか時間を過ごしました。

休み時間に私は職員室へ戻り、
先輩の先生に状況を説明し、
導入を教えていただきました。

頭はパニックでした。

時間になり、
再び教室に入ったあと。

無理やり作った笑顔で、
先生の導入例を使って
説明したことは忘れません。

学生は、
きちんと理解していました。
そして、
自分の技量のなさを思い知りました。

そんなころ、
授業前に主任の先生に呼び出され、
こう言われました。

学生が、
先生の説明はわからないと言っています。
もう少し、
授業準備を頑張ってくださいね。

その日、
どのように授業したか
覚えていません。
先生の言葉が離れませんでした。
今目の前にいる学生が、
他の先生に
「私の授業は悪い」と告げている。
学生は私を判断しているんだ、と思い、
彼らの目を見ることはできませんでした。

クラスから秩序は消えました。
半数の学生は寝て、
起きている学生もスマホを見ています。
教壇の私ではなく、
みんな下を向いていました。

そのクラスには、
他の先生も手を焼くやっかいな学生もいました。

私は、彼とも衝突し、
そして、意気消沈しました。

どうして、
私は日本語教師をしているんだろう。

みんなに迷惑をかけて、
やっかいか学生にも
理不尽に対応されて、、、

テストのとき、
学生がカンニングしても、
作文を明らかに
翻訳機の丸写しで書いてきても、
私は注意する元気がありませんでした。

もう辞めよう
そう思いました。

でもそんなとき、
ふとYouTubeで
お笑いコンビ「見取り図」さんの
動画を見ました。

そして、気が楽になったのです。
詳しくは、こちらに書いています✨️

やる気が出た私は、
先輩の授業見学をしよう!
そこで、授業改善のヒントを見つけよう!
と、見学をさせていただきました。

すると、
見学は驚きの連続でした😳

以前見た時には、
いかにも簡単そうに思えた授業。
でも、そこには
教師のテクニックがたくさん隠れていたんです!

先生の小さな一言、
学生を指名する順番、
気をそらさないための注意の仕方、
その一つ一つに意味がありました。

クラス全体が集中し、
楽しんで受ける授業の背景には、
先生の経験や
ワザが詰まっていたのです!

あんなに眠そうだった、
あんなにスマホばかり見ていた学生も、
先生の問いに能動的に答えていました。

見学後、
私の気持ちは変化していました。
今なら、
今までの散々な授業を改善できるかもしれない!

自分の授業のせいで
学生の態度が悪くなり、
その状態を変えようともせず
引きずっていたこと、
準備不足だったこと、
そのすべてを反省しました。

季節は春になり、
学生は卒業していきました。
私に、
授業とは何たるかを
気づかせてくれた学生たちは、
今何をしているのでしょう。

日本語教師として働き、
半年が経ったころでした。

新入生が入ってきます。
私は、今度こそ、
新しいクラスで変わってみせる!

そんな前向きな気持ちが
強くなっていました。

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