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デトックス

今朝の気温はマイナス5度。朝起きると、一面真っ白な世界が広がっていた。山の家は2回目の冬を迎えるけれど、やっぱり寒さにはまだ慣れない。朝から水道管が凍結し、トイレの水が流れない。料理用には山の汲み水があるから大丈夫だけれど、11時頃になって気温が少し上がり、水道から水が流れるとホッとする。

普段の暖房器具は灯油ストーブとこたつ、エアコンの3つ。時間帯によって使い分けていて、朝起きたらまずは灯油ストーブとこたつをつける。ストーブは部屋がすぐに温まり、1時間もつけているとうっすら汗ばんでくるほど。ただし灯油をかなり消費するので、3時間までと決めている。

それ以降はストーブからエアコンに切り替え、こたつは1日中つけている。そして19時になると、またエアコンからストーブに替えて、ストーブの上で湯たんぽ用のお湯を沸かす。

寒がりの私は、湯たんぽが欠かせない。以前は陶器製のどっしりとしたものを使っていたが、最近は小さめのプラスチック製を愛用している。なんといっても軽く、お湯の量が少なくすむので楽だ。毎日のことなので、用意するのが億劫になると続けられない。

初めこそプラスチックだからと侮っていたものの、朝起きてもほんのり暖かい。そのお湯で顔を洗い、1日が始まる。また、最近復活したのが靴下の重ねばきだ。絹・ウール・絹・ウールと、最低4枚の靴下を重ねて履く。

数年前までしっかりと重ねばきをしていたが、ここ2年ほどやめていた。洗濯物が多いことも、やめた理由の一つだった。洗濯物干しは靴下で占領され、タオルを干すスペースがなくなってしまう。しかし、年明けに珍しく風邪をひいたこと、その後なかなか調子が戻らなかったこともあり、重ねばきを再び始めた。

久しぶりの重ねばきだけど、やっぱり足元が暖かいと、心もどっしりとする気がする。なにかに守られているような感覚、とでもいおうか。ここ数日、気持ちが落ち着いているのは靴下のおかげかもしれない。

年明けからなんとなく人に会う気分になれず、ほとんど会っていない。仕事関係の人とは日々メールなどで連絡を取っているものの、リアルに会ったのはご近所さんに3度ほど。あとは、宅配の人やいつも行く温泉の受付のおばさん、スーパーの店員さんくらい。

年に2度ほど、こうやって誰にも会わない時期がやってくる。その間はSNSも遮断し、友人や知り合いの近況は一切目にしない。誰がどこでなにをしているのか知りたいと思わないし、私自身の近況も投稿しない。このまま私がポンと消えてしまっても、誰もそのことに気付きすらしないのではないだろうか、なんて思ってしまう。

籠っている間はいつも通りに仕事をして、本を読み、映画を観て、自分のために料理をする。いつもなら食材を買い込んで、つくったことがない料理に挑戦するのが楽しみだけど、今回はパンパンに詰め込まれた冷凍庫を断捨離すべく、買い物には行かないことにした。冷凍庫の1/3ほどはいつのものかわからず処分したが、それでも冷凍庫にはまだたっぷりの食材が詰め込まれている。

数日かけて冷凍室のシラスでパスタをつくり、大豆はチャーハンの具に、ひじき煮は解凍してそのまま、ブリは照り焼きに、豚肉の細切れは豚汁にした。和菓子やパウンドケーキは毎日1つずつ3時のお茶の時間に食べ、大量の栗は少しずつスープにしようと思っている。だいぶ空間ができた冷凍庫を眺め、断捨離の効果か、気分はスッキリしている。

こうやって一人で過ごす時間に、きっと体も心もデトックスしているのだろう。今夜も寒いので、冷凍しておいた油揚げで温かいきつねうどんでもつくろう。




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