凧揚げ

金曜日の夜
仕事終わりの彼と合流した

明日はお互い休みだ


ゆっくり家で過ごす休日もいいが
たまには出かけたいと計画したプランを提案してみる

夜に出発して
少し高速にのり
朝から活動して早めに帰宅
弾丸プチ旅行に行きたい

時刻は22時を回ったところ
少し遅すぎる気もする


「どうする?」


「行こう」

二つ返事で決まった

最近のコンビニのコーヒーは美味い
ダブルエスプレッソを1つ購入して
急いで家をでる


ドライブは好きだ
たまには私の運転で走る
1時間半の運転

なんとか泊まるところを探すも
時刻は1時を回ったところ

修学旅行の夜
なんだか寝付けないそんな日のように
目がわくわくして冴えている


明日は早いもう目を閉じる

朝が来て向かう先は広い海岸沿い
風が気持ち良く吹いている
綺麗な砂の上を足元をとられながら歩く


広い公園で凧揚げをしている人もいる
高く高く舞っている

凧揚げなんて珍しい


それを見て提案される

「凧揚げしたくない?」


少し考える


「したい」

公園の横に手作りで凧を作ることができる場所があり
お手製の凧が作れるのだ


見本の型に沿って描くか
フリーでオリジナルデザインで描くのか選べるが
もちろんフリーで描くことを選択する

自分で帆に描くデザインは
歌舞伎っぽくでも可愛い和柄にしてみる


いざ飛ばそうと公園へ向かうが
あげてみようとするも上手くあがらない
苦戦すること30分くらい経っただろうか

これであがらなければあきらめようと思っていたら
高く高くあがったのだ


「楽しい、楽しすぎる」


なんて楽しいんだ

落ちそうになりながらも
凧は風を掴みあがっていくのだ

見ていても気持ちいいのに
自分たちであげた凧が舞っているをみるのは
なお一層気持ちいい


長いこと公園にいた気がする
13時過ぎにお昼ご飯を食べて
ゆっくりとだらだらする

夕方17時には帰路につく

家の近くに車を停めて
直帰するかと思った矢先に提案される

近くの公園で
「凧揚げしない?」


「する!」


完全にハマった
楽しすぎるのだ


風をよむ
天気をよむ
周りを見て木や電柱など障害物を考える

現代人にしては船乗りでもないのに
一癖も二癖もある行動だ


夕暮れ時の公園に
空高く舞う凧を
遊んでいる少年たちや
犬の散歩のおじさん
買い物帰りのおばさんまで
みんな手を止めて見上げている


こんな閑静な住宅街に
颯爽と現れたカップルが
真剣に風を読み凧をあげているのだ

それだけで傍から見たら私なら面白くて笑ってしまう


「もっと広い公園に今度は行こう」


「きっとこれから凧揚げできる公園
無意識に探しちゃうくらい凧揚げ楽しいね」


「そんな人なかなかいないよね」

ぜひともみんなもハマって欲しい
この風に乗る凧が
空高く舞う楽しさを

私はスマホで確認する

「来週の土曜日休みだよ
公園デートね決まり
天気は曇り
凧揚げできるかな」

「!!!」

デートスポット選ぶ基準は…
凧揚げできるかどうか

ほんと変な人たち。