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震災後に津波被害のあった「いわき市中之作」に移り住みで風景保存と空き家再生のNPO法人…

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震災後に津波被害のあった「いわき市中之作」に移り住みで風景保存と空き家再生のNPO法人を立ち上げる。気付くと再生した空き家でカフェ運営も始めてしまったが、本業は建築設計事務所を主宰する建築士です。 ちゃんとつくると家は長持ちするが、長く住み継ぐ方法を誰も知らない気がする。

最近の記事

エリアリノベーションの出口

前回、空き家を劣化から守るためには定期的に見守る「放置しない仕組みづくり」が重要だと書きました。今回はその続きとなる空き家の活用方法について書きます。 空き家活用で問題になるのが、傷んだ空き家を貸せる状態まで改修する工事費です。費用の回収を急ぎ家賃を高くすると入居希望者が集まりませんので、適正な家賃設定を考えて工事予算を決める必要があります。そもそも過疎漁村は家賃設定が安いので大規模な改修をしては事業になりません。空き家活用を目指して工事の見積を取ってみたけれど金額を見で活

    • エリアリノベーションの入り口

      東日本大震災で風景保存のNPO法人を設立し過疎漁村で空き家再生を続けています。これまで空き家オーナーと交渉して3件の空き家を再生して、地域に足りないコンテンツを増やしてきましたが、過疎化の速度に追いついていません。そろそろ活動の軸をエリアリノベーションへ移行するタイミングかもしれません。 今年の活動テーマは「空き家を放置しない仕組みづくり」を考えています。建物は人が住み続けることで健全な状態を維持していますので、誰も住まなくなった瞬間から急激な劣化が始まります。現在ゲストハ

      • コロナ対策と住まいの換気

        昨年夏ごろに「住まいでのコロナ対策は換気が重要」と言われて、ガンガン窓を開けさせられましたが、寒くなったらほとんど聞きません。さて換気はどうすればいいでしょう? 過去のお客様から似たような質問を度々いただきます。テレビでも「換気!換気!」言わなくなったみたいですね。ボクはウイルスの専門家ではありませんが温熱環境を扱う者として次のように答えています。 この時期の外の冷たい空気を室内に取り込んで暖房すると「過乾燥」になります。外のカラカラに乾いた冷たい空気を20度に温めると湿度

        • わが町バンザイ!

           福島県の海岸線を眺めると東向きのほぼ一直線であることが分かります。地図を北から真っすぐ線を引くと、茨城県の手前で海岸線が南東向きに折れ曲がります。この折り目が塩屋崎灯台ですから、灯台として抜群のロケーションです。この南東向きの海岸線に中之作はあります。港のすぐ裏が山ですので人が暮らせる平地が少なく、海に面した道路沿いと谷沿いの細い道に住宅が密集して建っています。(どうぞ地図で確認してみてください)   南東の海に面していて西側が山ですので、この町の住宅は南東向きが多いです。

        エリアリノベーションの出口

          ピザ窯

          我が家の庭にはピザ窯があります。この場所を「我が家の庭」と言っていいのか悩むのですが、ここに住んで、建物を管理して、掃除や草刈りもしていますので、我が家の庭と呼ばせていただきます。 震災で解体が決まった江戸時代の古民家を買い取ったのは私ですが、地域の風景保存のために活用する施設として修復する費用や、様々な運営費は全てNPO法人が賄っていますし、屋外のカマド小屋や、ピザ窯もNPO法人がDIY教室を開催して建てたものですので、それを勝手に「我が家の庭」と言うことが憚られるのです。

          地域で遊ぶスタイルを模索中です

          我が家の庭整備が6年以上手付かずのままでしたので、そろそろ着手しようと設計を始めました。駐車場を整備し、玄関までのアプローチもデザインしています。(図面を描いているときが一番楽しい!) 長年雑に使っていた庭ですので、整備に向けて処分するものが多くて大変です。庭の南側にあった小さな家庭菜園も敷地の高さ調整の関係で埋まってしまうため、全てプランターボックスに移植しました。嫁さまが拾ってきた電線用木製ドラムが3つも無造作に転がっていましたので、これの活用方法もそろそろ考えなければな

          地域で遊ぶスタイルを模索中です

          2度目です

           チェルノブイリ事故の時に高校生だったボクは、本や雑誌で原発の怖さを理解して「自称反原発の人」となりました。あくまでも自称なのでそのことは誰も知らないのですが、朝まで生テレビなどは眠い目をこすりながら真面目に視たりしてました。でもそれだけです。  東日本大震災で原発事故が起きて、何もしてこなかった自分を恥じました。子どもに「どうしてあんなモノ造ったの?」と責められても、「ゴメンナサイ」としか言えません。なんとも惨めな世代です。  こんな思いは二度としたくないと決心したはず

          2度目です

          福島県内でリフォームをお考えのあなたに朗報です

          朝6時の我が家の室温は19.7℃ありました。暖房は昨夜の9時に止めてあります。家には「こたつ」や「ストーブ」は持っていませんし、「床暖房」なんて高価な設備もありません。約30坪の家を「エアコン1台」でトイレや脱衣室まで温まる設計になっています。しかも、暖房時間は1日3時間で十分です。 「最近の新しい家は温かくて羨ましい」と言われることが多いですが、新しいから温かいわけではありません。建物の断熱性能をきちんと計画し、計画通りに丁寧に工事をしただけですので、同じ手順を踏めば寒さ

          福島県内でリフォームをお考えのあなたに朗報です

          移住の話③ 古民家の保存

          東日本大震災の直前に古い建物に住む方から改修の相談を受けたことがあります。江戸時代に建てられたという海に面した商家は、あちこち劣化していますがとても立派で、修理すればまだまだ住み続けることができる建物でした。ボクが今住んでいる家との最初の出会いです。 改修方法について資料を整理し、改修案と概算工事費を作成中に大震災が発生しました。数日後に古民家を訪ねると、屋根瓦は崩れ落ち、津波により1階の窓は全て壊れ室内は無残な姿になっていました。近所の方から古民家に住んでいた方は家族の家

          移住の話③ 古民家の保存

          移住の話② パブリックのある家

          ボクが移住した小さな港町は、漁業で栄えていた時代に建てられた船主さんの立派なお屋敷がたくさん残っています。その頃はこの町の商店街で船に関するもの全てが揃ったといいますから、私の事務所の前はさぞかし賑やかな通りだったのでしょう。 天然の良港と言われる場所は海が深いので背後に山が迫っていることが多いです。つまり人が住む場所が狭く坂が多くなります。ここに間口が狭い商店がひしめき合うわけですからぎゅうぎゅうです。町の道路側には「みせ」が並びその奥に「すまい」は建てられます。港町らし

          移住の話② パブリックのある家

          移住の話① ライフワーク

          ニュータウンが苦手です。資産価値の高い団地になるほど敷地境界線への意識が高くなり、住人が自分の権利として「パブリック」と「プライベート」を明確に分断したくなることが、コミュニティーを希薄にしている原因ではないかと疑っています。 ニュータウンが苦手なことにはもう一つあります。神社、お寺、教会、墓地などの祈りの場が非常に少ないことです。公共事業が宗教性を排除しようとしてるので仕方がないことなのでしょうが、地域の自治団体はお神輿を収納する神社もないのにお祭りを続けようとします。お

          移住の話① ライフワーク

          パーツ探しで涙目

          大掃除の邪魔者くん(6歳)は祖父母の家に預けられていたので、彼が帰宅して新しいレゴ収納棚を発見すると大興奮でした。想定内の反応です。そして組立本が整理されたファイルをめくり、数年前に(ボクが欲しくて)買ったロボットを組み立てたいと言い出しました。ここまでは100%予想通りの反応です。 「今夜はタコ焼きね!」 先日、近所の方からいただいたタコがあり、刺身で食べた残りをタコ焼きにすると嫁さまからの指示がありました。タコ焼きの調理は毎回ボクの仕事です。油が飛びますのでテーブル(

          パーツ探しで涙目

          レゴの収納

          嫁さまからレゴの箱を潰すよう指示があったのはずいぶん前のことです。1つのパッケージで3つのモデルが組み立てられる「3in1」の箱は、使わないパーツが他と混ざらないために利用していましたので、スカスカでも大切なモノです。組立本も一緒に箱にしまっていました。 「これを潰せるのか?」 我が家には自作のプレイマット(直径1m)があり6歳男子が楽しく遊べる量が入っています。遊び終わったら紐をギュッと引けば片付け完了なのでとても便利です。しかし、パッケージ品で遊ぶときは混ざるのが嫌で

          レゴの収納

          新聞に広告が掲載されます。

          1月4日の福島民報「2020新春住宅特集~新築・リフォーム~」のページに広告が掲載されます。もちろんボクが経営する建築設計事務所は広告費なんて余裕はありませんので、広告主は省エネ住宅をつくる社団法人です。 ありがたいことに名前が大きく表示されていますが、これはボクが福島支部長だからです。そして広告にあるプレゼントが厄介です。 【あなたの家の「断熱診断」を無料実施 20名様】 断熱診断の依頼があれば福島県内の何処だろうと出向いて、「チェックリスト」に沿って断熱部位毎に断熱材や

          新聞に広告が掲載されます。