はいしゃ
虫歯があるかもしれない。
一度その考えが浮かぶと、中々消えてくれない。
不安が募りすぎて、押しつぶされそうになったので、
何年かぶりに歯医者の扉を叩いた。
口を開けた無防備な状態で、されるがままにされた結果、
虫歯がないとの診断が下った。
胸を撫で下ろすも、歯の掃除のために
しばらく歯医者に通うことになった。
気は進まないが、何年も歯医者に通ってなかったしと思い、
しばらく通うことにした。
歯医者に行くとなり、喜ぶ人は中々いないだろう。
他の病院と異なり、胃からカメラを入れられたり、
注射されたりということないのだが、なぜだか気が進まない。
一つには、その耳を塞ぎたくなるような音。
甲高く、耳に付く音。黒板を爪で引っ掻いたような。
その日も、その音がなり始め、気持ちを逸らそうと、そっと目を閉じる。
・・・・
ん、これはどこかで聞いたことのある音だ。
そう、それは私が尊敬するR2D2パイセンの音にそっくりなのだ。
目を閉じ、耳を澄ませると、R2D2の音に聞こえ、勇敢だが茶目っ気のある
R2D2が浮かび、リラックスできる。
歯医者を通じての学びだ。
よいこのみんなにも声を大にして伝えたい。
あの音が聞こえたら、目を閉じて、R2D2を感じよう。
そして、おとなでもはいしゃはこわい。
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