【レビュー】『半分、減らす』
ほとんど本を読んでこなかった人間がポツポツ読書を始めました。
そんな人間によるレビューです。カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点ははじめにお断りしておきたいと思います…。
(読書記録も兼ねている為、ネタバレを含みます。お気をつけ下さい)
『半分、減らす』
川野泰周 著 知的生きかた文庫(三笠書房) 2021/10/19
●この本について
医師であり禅僧である著者がシンプルな生き方を説いている本。
「物」、「食事」、「消費」「情報」、「仕事」の五つの観点から語られる『半分』や『中庸』の考え方は、どれもがなるほどと思わされ、実践してみたくなる内容。
どんな人にでも、刺さる項目が必ずある本だと思う。
●レビュー
★★★★★(星5つ)
図書館で借りて読んだ本(実は2回目)。
私は自他共に認める物を捨てられない人。
断捨離の一助になればと思い読んだのが1回目。
もうだいぶ前だが、その時もなるほどと思い、出来るところから実践していた。
そしてしばらく経ち、忘れてしまっていた。
しかし、私と私の家族の生活が変わるこのタイミングでもう一度、図書館でこの本に目が留まった。
タイトルも、著者が医師で禅僧という珍しい経歴の持ち主だということも覚えていたが、今一度、生活を見直してスッキリ過ごしたいと思った私はもう一度この本を手に取った。
やはり本との巡り合わせというのは凄いなと思うと同時に、必然なのかなと思わざるを得ない。
さて内容だが、やはり禅僧の著者らしく、語られる口調も落ち着いた柔らかい印象を受ける。
織り交ぜられる話にもへぇ〜という雑学があったりで読みやすい。
私は学生時代『中庸』という言葉を学んだ際、自分にピッタリだと思って強烈に頭に残っていたのでこの本は特に私の心に響いたのだが、「物」や「食事」、「消費」にも『中庸』の考え方を当てはめるとは…!という驚きがある。
今の我々の生活は飽食、余剰、過多…などの言葉が当てはまりそうな状態だと思う。
だからこそ、その中から何かを選び取ったり、必要分だけを取捨選択するという力は必須となっていると思うが、一体どれだけの人がそれを適切かつ的確にできているだろうか?
判断するにも知識と体力がいる。
それがしんどくなると、処理速度が落ちる。
落ちた速度は上げることは難しい。
私の場合、速度が落ちどんどん未処理が溜まって、処理が追いつかなくなった。それは次第に不安へと姿を変え、様々なものに関して『とりあえず持っておく』ことで埋めようとした。
だから物部屋には溜まり、しかしそれではいけないと分かっているのに変えられない状況に心が折れかかっていると自己分析している。
しかし、この本の序盤で出てくる『物質的な豊かさは心の豊かさを担保しない』という言葉にグサっと心の奥底の隠していた部分を射抜かれた気がした。
物を得ることで心の不足を埋めたり、不安を解決することはできない。
ここでは物質的とあるが、それはこの本で語られている「情報」の項目に関しても同じことだと思う。
大量に持っていても、自分に必要なものを見極めて活用しなければ豊かさにはつながらない。
それを実践する為に、まず我々の生活の中で過多なものを半分に減らし、判断できだけの量にする。その判断が適切にできている状況が『豊かさ』につながるということなのだろうと理解した。
本書には『半分に減らす』為の具体的な方法がかなり数示されている。
中にはすでにやっていることもあるかもしれないが、一つ一つは本当にスモールステップが多く、「これならできそう」、「これならやってみようかな」と思えるものが多くある。
やるか、やらないか。
その後の効果はやった人にしかわからない。
自分には合わないかもしれないし、半分以上の効果を得られるかもしれない。
しかしその方法を紹介する意図なども示されているので説得力がある。
私は根本的に頭で考えてから動くタイプだが、この本だけに関わらず、本で紹介されていることに関してはとりあえずやってから判断するようにしている。
疑ってかかるタイプの方も、この本に関しては是非、騙されたと思ってやってみることをオススメしたい。
本書後半で出てくる
『半分減らして生き甲斐を2倍増やす』
という言葉に、私は今一度この機にチャレンジしてみたいと思う。
●真似したい点
・受け入れやすい語り口
・禅の考え方
・示される方法の難易度設定
・要所で出てくる名言
●う〜んな点
・なし!
●感想・気付き
あまり同じ本を二度読むことはない私。
それでもこの本を沢山の蔵書の中から見つけ、手に取って借りたことには意味があると思っている。
その意味を見出す為にも、今の自分が嫌いで仕方なく自己肯定感のカケラない自分を救う為にも、この本に書かれていることを実践してみようと思う。
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