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長谷静香「看護師のためのアドラー流子育て・自分育て」

・本書は、心理カウンセラー、看護師、保育士という3つの肩書きを持ち、勇気づけセミナー講師として、個人向けの講座や、医療・行政・教育機関・企業向けの研修・講演を全国で開催する三児の母である著者が、「子育ては完璧を求めず、6割くらいでちょうどいい」などと提案した「アドラー流子育て・自分育て」について解説した1冊。

・著者は、子育ての目標は「自立」と考えている。
・親はいつまでも子どもと一緒に生きていくことはできない。子どもはいつか親の元を離れ、独り立ちしていく。
・その子どもたちが、自分で立って生きていけるように援助するのが子育ての目標だと著者は考えている。
・子育ての目標を考えるとき、アドラー心理学の考え方は、とても有効である。
・アドラー心理学は、別名「勇気づけの心理学」と呼ばれている。この勇気づけとは、「困難を克服する活力を与えること」を意味する。
・さまざまな選択肢を自分自身で考え、困難を乗り越えて建設的で前向きな対応をしていくことが「勇気」であり、そのような心を育てていくことが「勇気づけ」になる。
※「小学生のお子さんが、友だちに仲間外れにされた」という事例を通じて、勇気を育てた子とそうでない子の違いについて紹介されているが、詳細は本書をお読みください。

・子育ての前に、もっともっと大事なことがある。それは、「自分の心を整える」ということだ。
・心が整うと、どんな自分もどんな出来事もジャッジせず受け容れることができるようになる。
・自分の不完全さにOKが出せたら、相手の不完全さにもOKを出せるようになる。できていない自分、不完全な自分を受け容れられるようになると、不完全な子どものことも受け容れられるようになってくるのだ。
・心を整える方法のひとつに、「自分の心の声を聴く」がある。
・他者の声に耳を傾けることはあるが、自分自身の心の声に耳を傾けることは少ないのではと著者は考える。
・あなたの心は誰も分からない。それを一番知っているのは自分なのだ。悩んだり、迷ったりしたときは、「本当はどうしたい?何を感じている?」と自分自身に質問してみることが大切である。
・日常の忙しさに追われていると、「本当はこうしたい・これを目指している・これは手放したい」などの自分自身の声に気づかないことがあるが、これは、自分自身を大切にしていないのだ。
・生まれたときからあなたの一番近くで応援してくれている人は他ならぬ「あなた」である。世界で一番の味方であるあなたを、あなた自身が世界で一番大切な人として扱うことが大切なのだ。
・ネガティブな感情が出てきたら、「どうした?どうしたかった?」と自分の心に語りかけることができると、子どもや他者の声も聴けるようになり、相手のことや、相手の心の声も大切にできるのだ。そしてそれは、自分に共感することを通じ、相手に共感することにつながっていくのだ。
※その他の心を整える「自分育て」については、本書をお読みください。

・本書は、「子育てに活かせるアドラー心理学の考え方」「子育ての前に必要なこと」「ひとりで頑張らない!周りとともに子育てを」「年齢別の関わり方(乳幼児期・児童期)」「大人が自分の人生を主人公で生きることが、子どもの自立につながる」という章で構成されており、「勇気づけに必要な3つのキーワード」「セルフトーク「悪魔のささやき」と「天使のささやき」」「勇気づけの3つのステップ」「幸せな3つの条件」といった子どもだけでなく、子育てする方も変化するコミュニケーション、対話の方法が紹介された内容となっている。

子育てにお悩みの方は、ぜひご一読ください。

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