愛せなくても理解をすること。

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そういえば公開初日の10月3日にJOKER観てきました。

実はもともと犯罪心理学に興味があったりとか、大学は心理学専攻で児童虐待の勉強をしてたとかで思うところがあったりはしてこれは深い考察ができるかもぞと思ってたんですが、

何せここアメリカなので、英語で上映されるわけで、しかも公開日に観ちゃったから検索しても考察もネタバレも全然出てこなくて、

ましてやバットマンシリーズ全然観てないからJOKERについてもよく知らん。
（唯一観てたスーサイドスクワッドでハーレクイーンの恋人だったやつ、くらい）

やっと最近日本語ネタバレが結構出てきて話を理解できるようになった。

JOKERは極悪非道の悪役だけど、なんでそんな極悪非道になっちゃったかなっていうお話。

悪役に感情移入させるストーリーはJOKER以前にもあっただろうけど、その度に人は悪役に感情移入して、なんでこんなことをするのかなって思ってたけどこういう背景があったのか、とか、自分も同じ境遇だったらこうなってしまうかもしれないっていう感情を抱くことがある。

だけど、残念ながらその感情移入は映画の中だけで終わることが多い。

例えば最近劣悪な教師いじめ事件が発覚して話題になってて、その加害行為の一部をニュースで見たけど、動画で見た行為なんか最後まで見られないほどだった。

なんでこの人たちはこんなことをしたのか、私は理解できないし、多くの人もそう思ってる。

だけど、そこで「理解できない」で終わっちゃって、この事件が起こった背景まで考えようとしなければ、同じような問題は至るところで発生し続けてしまう。

偉そうに心理学を語らせてもらうと、心理学は全ての人間に対して理解をしようとする学問であると思っている。

犯罪を犯した人にも、何かしらの障害を抱えてる人にも、メンヘラにも、あらゆる性別の人にも、あらゆる年代の人にも。

自分には到底許せない、理解しがたい行為をした、している人のことなんて、正直考えたくもないし、関わりたくもない。

だけど、なぜこんなことをしたのか、この人はどういう脳の特性を持っていて、どんな環境で育ってきて、どんな葛藤や苦悩があってこういった行為を行ったのか、知ろうとすることによってその人に対する見方は変わってくる。

少し前にあった「川口高齢夫婦殺害事件」。
犯人は17歳の少年で、夫婦の実の孫だった。金を借りに行ったが拒絶されて殺したあと現金を奪ったと。

金を借りるのを断られただけで自分の祖父母を殺してしまうなんてどんな少年だろうと思うけど、その背景は壮絶なことが後になって明らかになってきた。

wikipediaによると、父母は離婚して母に育てられていたが、母はホストクラブ通い。母は元ホストの義父と再婚して、家族でラブホや公園での暮らし。義父は少年を殴ることもあった。母と義父から、親戚に金を借りるよう指示されていた。その後義父は就職して失踪し、少年が働くも母に給料の前借りを強要され金が尽きてからのこの犯行。

正直、これは私も同じようにしてしまうだろうと思った。

そしてこの父、母、義父、祖母たちについても、メディアで語られることはないけれど、また一言では語れない背景や事情があるのだろう。

そもそも人の行動、言動の要因っていうのは２つや３つに絞れるようなものじゃなくて、本当に無数の要因がある。

身近な人でも、なんでこの人はこんなにひどいことを言うんだろう、とか思うことはたくさんあるだろう。
そういうとき、ただむかつく、関わりたくない、陰口。

だけじゃ何も解決しなくて、その人にも様々な葛藤や苦悩があることを考えれば、好きになることはできなくても少し共感はできるようになる。

もちろん無理して関わる必要はないし、基本的に自分の心のゆとりを作ることが大前提ではあるのだけれど。（無理して関わってたら自分の心も病むからね）

悪いことをしたから、という理由でその人に対して何を言ってもいい、何をしてもいい、というわけではない。

今回の教師いじめ事件でも、事件発覚後の一般人断罪パレードが大変なことになってるけど、

例えば秋葉原連続通り魔事件の時は、マスコミの押しかけや非難への恐怖で犯人の両親は精神を病み、弟は自殺をした。

モンスターを育てた家族だから死んでも仕方ない、と言えるだろうか。

正義と悪は極めて主観的なものだと思っていて、自分は正義のつもりでやっていることでも周りから見たら悪に写っていることもある。

犯人特定や学校への押しかけ電話をしている時間と労力があるなら、今問題になっている教師ブラック問題解決に向けて何をすればいいか少しでも考えることができるんじゃないだろうか。

そのほうがよっぽどこういう事件が起こらないように、今後繰り返されないようにするための手がかりになると思う。

まあそんなことをしてる人が私のnoteまでたどり着くとも思えないから、ただの独り言ですけれども。

JOKER、理解してからもう１回観に行きたい。