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四字熟語を考える―3

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2017年6月の記事一覧

「得魚忘筌」を考える

とくぎょぼうせん
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魚を捕ってしまうと、その道具の筌(やな)のことなど、忘れてしまうということ。
転じて、目的を達成すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。
「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚(うお)を得(え)て筌(せん)を忘(わす)る」と訓読する。
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魚を得てしまうと、
その道具の筌(

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「雨露霜雪」を考える

うろそうせつ
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さまざまな気象の変化のこと。
また、人生のさまざまな困難のたとえ。
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「雨」 あめ
「露」 つゆ
「霜」 しも
「雪」 ゆき

さまざまな気象状態の変化。

転じて、
人生のさまざまな困難のたとえ。

雨の他に、風、嵐など
もっと激しい困難だったどうでしょう?

例えば、こういうのはどうでしょうか?

「雨

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「摩頂放踵」を考える

まちょうほうしょう
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頭の先から足のかかとまですり減らすほど、自分を顧みず、他人のために努力すること。
孟子(もうし)が墨子(ぼくし)を評した語。
「摩」はすり減らす意。「頂」は頭のこと。「放」はいたる、とどく意。
「頂(いただき)を摩(ま)して踵(くびす)に放(いた)る」と訓読する。
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「摩」 すり減らす

「頂」 頭

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「哀矜懲創」を考える

あいきょうちょうそう
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懲罰を与えるには、相手を思いやる情が必要であること。罰はその罪を悔い改め、人生に新たな道を開くためのもので、悲しみ哀れみの心をもって行うべきことをいう。
「哀矜」は悲しみ哀れむこと。
「懲創」はこらしめること。
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「哀矜」 悲しみ、哀れむこと

「哀」 あわれむ、悲しむ、心をいためる
「矜」 ①自負

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「雲壌月鼈」を考える

うんじょうげつべつ
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両者があまりにも異なっていること。天と地、月とすっぽんのように違いすぎる意から。
「雲壌」は天地の意。
「月鼈」は月とすっぽんの意。
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「月と朱盆」が「月とすっぽん」になまったものらしい。
朱盆とは、赤く塗った丸いお盆のこと。
同じ丸くても月とお盆では、比べものにならないので、その違いをいったのが始ま

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「胸襟秀麗」を考える

きょうきんしゅうれい
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考えや心構えが正しく立派なさま。
「胸襟」は胸のうち、心の中の意。
「襟」も心、胸の意。
「秀麗」はすぐれて美しいさま。
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「胸」 首の下、腹の上の部分。
    こころ、心の中、こころもち、心の中の思い。

「襟」 衣服のくびに当たる部分。
    むね、心のうち。

「秀」 他よりぬきんでている

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