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三度目のパリ滞在記

いつも滞在するのは華々しいオーラを身に纏ったファッション関係の人がそこら中を闊歩するファッションウィークの直後のため、リッツカールトンやCostesのラウンジに行かない限りはそんなにおしゃれな人には遭遇しない。

Costesのラウンジは入った瞬間からいい香りに包まれる
Spotifyにプレイリストもあってかなり良い


だが適当なパーカーを着ていても建築物やそこら中にあるアートなもの補正が入ってダサくは見えない、多分。


Uberを待っている私


3年ぶりに会ったニコラは現在28歳のはずだが37歳くらいに見えた。
フランス人がアジア人に比べて歳を取るスピードが速いと感じる理由が何となくわかってきた気がする。もちろん遺伝子も関係しているが、おそらく湿度の問題は大きい。
東南アジアなどにいるときは肌が潤っているどころか弾力でもちもちとした手触りに変化する肌も、ヨーロッパにいると乾燥で肌が痒くなるほど湿度が低い。これでは毎日パックしても追いつかない。


ニコラは現在ルーヴル美術館で勤務していて、ランチタイムを削って私たちをバックヤードに案内してくれた。
見たこともないようなとてもカメラに収まりきらない大きなピアノを触らせてくれたり、クラシックコンサートや映画祭で使う機材を見せてくれたりした。

彼の仕事はガイドではないのに毎日ガイドをしてるのかと思うほど説明が上手で、有名な映画監督にフィルムを渡すときは緊張で身体が震えたエピソードなども織り交ぜてガイドをしてくれた。

「素敵な経験をさせてくれてありがとう」と伝えると「僕にとっては毎日のことだけど喜んでもらえたなら嬉しい」とにこやかに会議へ向かっていった。

彼との共通の友達は3人いる。
3人ともフランス人なのだが、なんと全員が東京に引っ越してきているためニコラは寂しがっていた。
治安が良くて何でも安くて清潔で日本のカルチャーが好きで日本語が話せるなら、まぁ引っ越してくるよね。

あんまり行きたくないと言ってたくせに散々楽しんでるけど、全然住みたくはない。

オフシーズンなのでかなり空いてた


折角中に入れてもらえたので、もちろん有名なダ・ヴィンチの絵画やミケランジェロの彫刻も鑑賞した。
美術品と一緒に自分も映りたがる人はどこにでもいるもので、モナリザの前で長時間自撮りをしている女の子がいた。
私は風景と美術品を全く違うものとして捉えているので、美術品と一緒に写真を撮りたい心理があまり理解できない。
虎ノ門ヒルズで開催している蜷川実花展でも「影として映り込むなら美しい展示だけど自分がこの世界に入りたくはない」と思った記憶が蘇った。 

アーティストの血肉である世界の中の住人になるにはあまりにも自分は足りてない、そんな自意識がある。
自分に対しては完璧主義者ではないけれど、好きな世界に対しては完璧主義者なのかもしれない。


ジャズバーで踊ったりもした


パリの4日間の滞在を経て明日メキシコに向かう。
真冬から突然真夏になるのと時差ぼけと治安と、もう少し心配した方がいいはずなのに何も対策をしていない。
まぁ何とかなるだろうし何とかしてきたし、それが人生だ。


そんなに乾燥はしてないだろうから肌の調子は良くなりそうなので、ひとまず肌の状態の観察が楽しみだ。

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