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新型コロナウィルス感染で免疫系が暴走?物流のシステムの中では経験があるけれど・・・

物流センターの搬送ラインでの暴走?

 大型の物流センターでは、大型の装置や自動機などの前後に搬送ラインが何重にも敷設されています。
物流のプロでも、一つの搬送ラインをみただけでそれが何のためのラインかすぐに判別できないものがあります。
それだけ複雑に入り組んでいるのです。

 それぞれの搬送ラインは上位でのシーケンサーによる制御で動いています。
シーケンサーにラダー言語でのプログラムを作成することにより、いろんな動きをさせることができます。
もちろん、その搬送ラインの機器がどういうレベルの動きができるかにもよります。

 私の前職の会社では、シーケンサーなどでの上位指令で動く方式だけでなく、ローカルのゾーン単位で配置されたコントローラ同士が通信しあって動く方式を開発していました。
マイコンを搭載しているものもあり、まさにミニシーケンサーに近いものと言えます。

 そのマイコンが暴走することが要因の可能性の一つとしてあげられることがありました。

もしコントローラのマイコンが暴走するとどうなるか?

 1本の搬送ラインで考えます。
1本の搬送ラインには、複数のゾーンで構成されます。
1ゾーンは、荷物の最大で考えます。
一般的には、1ゾーン600mmか750mmが多いですね。

 2つのゾーンに1つのマイコン入りコントローラが配置されます。
(コントローラにもいろんなタイプがあります)
搬送ライン上の荷物は、川の流れのように上流から下流に流れていきます。

 固定のロジックを使用した場合の代表的なパターンは、荷物の自動前送り機能になります。
ラン・オン・デマンドという考え方です)
 自ゾーンに荷物がある場合、進行方向のゾーンに荷物がなれけば、自ゾーンの荷物を次のゾーンに搬出します。
1つの上流側ゾーンの荷物を自ゾーンに搬入させます。

 もし、マイコンのコントローラが暴走したらどうなるか?
固定のロジックが崩れることになりますので・・・以下のような現象が考えられます。
・下流ゾーンに荷物があるのに、自ゾーンの荷物を排出させる
・自ゾーンに荷物があるのに、上流ゾーンの荷物が自ゾーンに入ってくる
・自ゾーンの荷物を逆走させる

 荷物を車の動きに例えるとわかりやすいです。
荷物がどうなるかはわかりますね。
つまりは、衝突します。

物流センターでの搬送ラインの速度は?

 一般的には、30m/minか40m/minあたりが多いですね。
皆さんになじみのあるkmと時速表記に変更してみます。
30m/min → 1.8km/h
40m/min → 2.4km/h

 人のゆったりした歩き程度の速度です。
随分ゆっくりだと感じましたか?

 工場でのFAラインは、もっとゆっくりです。
(笑)

 搬送しているものは、何も段ボール箱に入ったものだけではありません。
大規模センターであれば、一つのトレーに複数の注文されたピース単位の商品を入れていきます。
そうです。
ピース単位の商品が入っていますので、あまり早いとトレーの中の商品がごちゃごちゃになるかもしれません。
それではまずいですよね。

 しかし、Amazonなどでは工夫をしてより高速化されています。
60m/minや場所によっては100m/min位まであります。

新型コロナで、免疫系が暴走?

 実際の物流センターの使用において、マイコンの暴走は限りなくありません。
日本のマテハン技術は器用なので、細部まで管理が行き届いています。

 そんな前提の上で、4月23日のライブドアニュースのタイトルをみて驚いたのです。
新型コロナ、ウイルス感染で免疫系が過剰反応 命の危険も

ライブドアニュース 4月23日
【AFP=時事】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最も憂慮すべき特徴の一つに、免疫系が急速に過剰反応を起こす「サイトカインストーム」として知られる現象がある。
多くのCOVID-19患者が軽度の症状を経験するのみで済む一方で、最も重篤な患者では命を落とすほどの激しい免疫反応が新型コロナウイルスに対して起きる。専門家らは、こうした反応についてはサイトカインストームで説明できるとの考えを示している。
以下は、約20年前に初めて明らかになったサイトカインストームについて分かっていることをまとめた。
■サイトカインストームとは
サイトカインは免疫系の作用の一環として分泌されるタンパク質群で、感染による攻撃にさらされていると体が感じると炎症を誘発する。
だが、今回のパンデミック(世界的な大流行)を引き起こした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が肺に侵入した場合などの一部ケースでは、免疫系が暴走状態になることがあると考えられる。免疫系が暴走すると、分泌されるサイトカインの濃度が制御不能となる、いわゆるサイトカインストームが起き、患者が死亡する恐れがある。
肺における「過剰炎症の嵐」は、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの過去に流行したコロナウイルスでも合併症の一つだった。2002~2003年に主にアジアで発生したSARS流行では774人が死亡、2012年の中東呼吸器症候群(MERS)の流行では866人が死亡した。
サイトカインストームはまた、2005年に流行した鳥インフルエンザ(H5N1型)でみられた高い致死率の要因の一つとされている他、第1次世界大戦(World War I)末期に大流行し、約5000万人の死者を出したスペイン風邪のような過去のパンデミックにも関係していた可能性があると、専門家らは考えている。
■突然悪化する病状、最初の症状から7日~10日
世界保健機関(WHO)の報告によると、新型コロナウイルスで入院した患者の大半が肺炎を患うという。
患者は最初の症状が現れてから7~10日前後に突然病状が悪化するケースが多い。
英ロンドンのユニバーシティー・カレッジ病院(University College Hospital)の炎症専門家、ジェシカ・マンソン(Jessica Manson)氏は、「これまでに集められた情報を見る限り、COVID-19の重症患者の一部グループについては、サイトカインストーム症候群を発症している可能性がある」と指摘している。
■どうすれば抑えられるか
医師や科学者にとっての悩みの種は、患者の免疫防御力を低下させずにサイトカインストームを沈静化するにはどうすればよいかという問題だ。
米アイオワ大学(University of Iowa)の免疫学者スタンリー・パールマン(Stanley Perlman)教授は、「現時点では」有効な治療法が存在しないことを認めている。「現在、最良なアプローチについての検討が行われている。分かっていることは、コルチコステロイドが有害であり、悪い作用の方が大きいということだ」
【翻訳編集】AFPBB News

 その後、5月3日の産経新聞(ネット)にも以下の記事がでました。

産経新聞2020.5.3
新型コロナウイルスの患者が重症化するメカニズムが最近の研究で明らかになってきた。生命を脅かす重い肺炎は、自分を守るはずの免疫が過剰に働くことで起きている可能性が判明した。
ウイルスは全身の臓器に侵入してさまざまな症状を引き起こすとみられ、詳しく解明できれば治療法の開発につながると期待される。

 これが事実であるならば、本当にこわいですね。

物流センター内に例えると・・・映画『AI崩壊』が現実に・・?

 大規模物流センターに例えるならば、先程の1つの搬送ラインではなく複数のラインが各階にまたがってあります。

無数と言った方が適切かもしれません。それくらいに沢山あるのです。
その前後には、装置や自動機などが介在します。
当然、人間が介在する場所もあります。

 上位側システムだけでは、コントロール不能になります。
こわいことです。
仮に、通販シフトしていくと裏側の物流センターはもっと過酷になります。
もし、マイコンやもっと上位のコンピュータが暴走しだしたら・・・
誰にもとめられません。
映画『AI崩壊』までの内容まではいかなくとも、それに近いことは起こりますね。


 ネット通販に依存しすぎた社会になると・・・あまりにもリクスが大きいです。

 それを回避するためには、例え完全無人化物流センターが実現できたとしても、アナログのしくみは残しておくべきです。
システムがダウンや制御不能になったら使いものにならないのではなく、上位コンピュータとのつながりをシャットダウンして、エリア別にアナログでの応急復旧をさせる。
今は、上位がダウンすると全てが道連れになります・・・

 電車で日常茶飯事に私達は経験していますね。
物流の流れを止めないためには、デジタルに頼りすぎないアナログなしくみも併存して残しておくことが、大きなリスクリカバリーにつながります。

 物流を絶対にとめないためにも・・・
災害や想定外のリスクに対応する強い物流センター作りは必要です。
日本の企業なら構築できるマンパワーを持ち合わせていると、私は思っています。単なる機械化・システム化・デジタル化ではなく、いろんなことを想定した想定外を極力なくしたしくみづくりが絶対に必要です。


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